2021-08-01から1ヶ月間の記事一覧

『人間の絆』原作そして3度の映画化

1984年サマーセット・モームはパリで生まれました。父親がイギリス大使館の顧問弁護士をしていたからです。しかし社交界の花形だった母親が8才の時に結核で亡くなり、父は10才の時がんで亡くなり。、孤児になってしまいます。漱石と7才しか違わないんですね…

Nozipho、ファラオ・サンダースのアフリカ的サウンド

Messagge from Homeという1996年のアルバムの2曲目、Noziphoがいつからかえらく気に入って聞いています。 何かアフリカ的と言っていいようなサウンド。懐かしいような、ゆったりとしたメロディーとリズムです。NoziphoはZuluの言葉で Mother of GiftsとかBea…

モーム、ヒッチコック

昨日は緊急事態宣言の初日でしたが、午前中たっぷりと?テニスができました。いつもは10名以上年寄りが集まるのですが、さすがに8名くらい。方針について協議中なので、日曜までできますという回答だったそうです。でも閉鎖しているコートもあるとか。そし…

あのエレノアが・・・・

『ナイン・ドラゴンズ』(2009)を何回目か、4回くらいは読んでいるだろうか、読了しました。 避けていた理由は(これから読もうと思っている人は飛ばして下さい)、香港で娘と住んでポーカー・プレーヤーとして暮らしをたたていた、あのボッシュの元妻の、…

アウトサイダーとしてのボッシュ

『ナイン・ドラゴンズ』(2009)を避けて、前後のボッシュ物を読んでいますが、今度は『エコー・パーク』(2006)。 で『エコー・パーク』の方は、『天使と罪の街』で関係して別れたレイチェル・ウォリングとまた関わって(事件と私生活の両方)でまた別れま…

ジャンル~自転車編

昨年の9月末に買ったヤマハのYPJ-Cという電動アシスト自転車については何回か書いています。 ところが?かみさんがお姉さんから長い間借りて乗っていたプジョーのマウンテン・バイクを返したので、今度は自分の自転車を買うことに。その有力候補がかご付きの…

さまようボッシュ

『トランク・ミュージック』(1997)で捜査中にラスヴガスでエレノア・ウィッシュと再会し、ハワイでボッシュには似合わない新婚旅行がラストでした。それはもう次作『エンジェルズ・フライト』(1999)では別居寸前の状態です。でもどうも満たされないエレ…

ボッシュとウィッシュの再会、そして

未読に方には申し訳ないけれど、筋書にはふれていませんが?結末について書いています。 『トランク・ミュージック』です。1997年発刊で、翻訳が1998年なので相変わらず速いです。そんなに需要があったのでしょうか。『ラスト・コヨーテ』の続編で、ボッシュ…

ボッシュと孤児の物語

これも繰り返しになりますが、アメリカ文学における「孤児の物語」について。 ボッシュは間違いなく?孤児なんですね。ただそれがボッシュ・シリーズの中でどのような意味を持って機能しているかについてちょっとだけ考察してみようと考えています。 『ラス…

ジャンルの誕生と消滅

たった100年で変わってしまう。「英文学」の事やジャズなどについてです。 「英文学」という概念や制度についてまだ未分明だった、曖昧だった100年前に漢文学や江戸の文化が残っていた東京で育った秀才(夏目金之助)がイギリスで英語と英語の文学について研…

ボッシュとブラック・ダリア

1947年ロサンゼルス郊外でエリザベス・ショートという22才の女性が惨殺されたが、その事件は未解決となった。彼女の死がいろんなノンフィクションや小説になっているのは、若い女性の猟奇的ともいえる殺人事件の背後に、戦後ロスの犯罪だけでなく政治や汚職…

ボッシュとウィッシュ

漱石本はまだアマゾンに注文した本が何冊かあるけれど、少しボッシュで休憩。ボッシュは休憩的な娯楽的な読書になります。で、手元にあった最初のボッシュ本『ナイトホークス』。1992年発刊で、翻訳も同年?早すぎるようにも思えますが。 ボッシュの家は木造…

終わった。

終わった。前期の成績をダブル・チェックの上、ネット上で提出しました。これで教員生活(ちょっとオーバーか)最後の仕事が終わりました。27才ではじめた非常勤+専任38年+非常勤4年=43年か、あまり感慨もないですが。 さてちょっとずつ飲んでいるタリス…

漱石と(近代)小説

『漱石研究』(創刊号、1993年)に富山太佳夫が「歴史に背を向けて―漱石と歴史学」という題で、漱石が進化論と心理主義(小説)には関心を抱いていたが、19世後半のイギリスの歴史認識と歴史小説には背を向けていたと指摘している。そもそも2年強の留学で下…

世間話ができない

えっと、僕は少しはできます。でもできない男性が多いようだ。女性はかなりできる。これは男と女の文化の違いか。元はまた『三四郎』です。石原千秋編集の『夏目漱石『三四郎』をどう読むか』(河出書房新社、2014年)の対談で富岡多恵子の発言。これはその…

文学とテクスト

40年前の大学・大学院の時は、教室でニュークリティシズムを習い、外では脱構築的なテクスト論を学んでいました。つまり僕たちより30才くらい年上の先生たちが若い時に学んだ文学理論を教えていて、僕たちは先輩と新しい文学理論を研究室で輪読という名前の…

宿題のスタート

担当科目の評価入力が終了。255名中、未提出が28名。227本のレポートを採点しました。みんなワードかpdfで提出してくるのですが、1名だけpagesというファイルで開けない。学生に連絡したり、返事がないので事務を通してようやくワードで提出し直してもらった…

『三四郎』とstray sheep

『三四郎』(明治41年、1908年)は熊本から帝大で学ぶべく東京に出てきた主人公の教養小説として読まれてきたらしい。確かにそうなんだろうけれど、三四郎があまり成長しないなぁとか、美禰子に翻弄されている三四郎を若き主人公としてはどうなのと考える(…

212/256と宴会

レポートの提出締め切りが迫っても出してこない履修生が多いので1日延期しました。 で、現在212名提出で、ぜんぶ採点しました。このブログを学生は見ないだろうから本音を言うと、1本のレポートにかける採点の時間はかなり短いです。言えないけれど。という…

今度はノンアルコール

暑いので昼のビールが小瓶350mlですまない。もう一缶あけて半分を残す。残りは夕方のむ事が多いか。 昼のセットはビール小瓶+ラガブリンのショット30ml×2です。氷に水を90mlほど入れて水割りで飲むので、ラガブリンのように癖のあるのでないとただ薄くてお…

ポーターというクラフト・ビール

サンフランシスコのクラフト・ビールの草分けと言われているアンカー社のポーターを愛飲しています。 ポーターって焙煎した茶色の麦芽を使うので、焦がした苦みと甘みが感じられます。ポーターの中でもアルコール度数の高いのはスタウト・ポーターと呼ばれ、…

漱石の『門』と小説の評価

門』は1910年(明治43年)に朝日新聞に連載され翌年刊行された『三四郎』『それから』に続く、前期三部作最後の作品です。因みに後期三部作は『彼岸過迄』、『行人』、『こころ』です。漱石の読者でなければ、特に後期三部作は『こころ』が突出して有名です…

五輪とポストモダン

今朝の朝日新聞の朝刊の「オピニオンとフォーラム」欄で「東京五輪 国家の思惑」に触発されて、一部影響されて書きます。東大の吉見俊也さんの執筆によるもので、僕はメディア論の代表者として記憶していましたが、大きくは社会学、その中でも都市論でも重要…

山形のお酒

10数年ぶりに行ったすすきのの『うなぎ二葉』。お墓参りの後に鰻でいいのか、精進落としとしては正解か。 でもお酒のメニューに「初孫」とあったのでそく注文しました。山形県酒田市の酒造です。山形県のお酒としては「樽平」酒造の「住吉」も有名です。銀座…

69才のハリー・ボッシュ

昨日読み終えた『鬼火』(講談社文庫)のハリー・ボッシュは2019年のThe Night Fireの翻訳で、マイクル・コナリーの33冊目の長編、ボッシュ・シリーズとしては22作目、ハワイ出身の女性刑事レネイ・バラードの3作目、ボッシュ&レネイものの第2弾です。 実は…