家の解体を観察

 隣の向かいの家が昨日から解体作業に入った。

 白い三角屋根の大きな家。お爺さんとその娘らしき中年の女性の二人暮らし。いつも赤い車で娘さんが父親らしき人をどこかに乗せて行く。そのような日常の風景が見られなくなり、家の周りを調べる業者らしき人が入れ代わり。お爺さんと中年の女性の二人暮らしってうちと同じ。

 そして昨日の朝、油圧シャベルというかパワー・シャベルというか、大きなトラックからゆっくりと下りている。恐竜か鳥の頭部のような形がこわい。午後になると、作業がはじまった。口を閉じて壊す。口を開いて解体した部分をつまんで移動させる。 

 前にも散歩や帰宅途中に近所でみたけれど、家の解体って、生き物の終わりと少し似ている。なので、解体途中でも、終わった後でも、なにか気になるけれど、あんまりよく見ないようにそそくさと通り過ぎる。

 今は時間があるので、2日間、家の窓から時々じっと観察している。と言うか、家の窓が公園の方を眺める作りになっているので、入り口の解体する家が見えてしまうんです。

 2日目午後、大量の黄色いスポンジのようなものの山ができてる。う~ん、断熱材か。気になって、わざわざ外に出て交通整理のような役割の青年に聞いてみた。グラス・ウールじゃないですか、という返事。分別するので、家のあちこちにあったグラス・ウールをわきに置いておいて、最後にそれだけをまとめてトラックで運び出すのだろう。お邪魔しましたと言うと、いいえ、寒くて退屈していたので助かりましたと言う返事でした。

 大きな家が建っていたので、土地も広い。少なくても2軒、もしかしたら3軒建つかな。別のお向かいの家も引っ越して、その後に2軒建っています。そう言えば、うちも95坪を2つに分けて売りました。40代で土地を買って家を建てると、定年までのローンで3000万円くらい。とすると土地で1000~1500万、家で1500~2000万くらいでしょうか。

 今のうちの隣も、空き地(35坪)に建てた人も30代後半から40代か。斜め向かいも似たような年回りの世代・家族が増えています。後は町内の中の班(18軒)でも80代の方の家が2軒あります。そんなで世代交代の波が郊外の住宅地にも。

 もっと歴史を遡れば?55年前に西野に越してきた時は、市バスも通っていなかった。歩いて10分の所に西野バス・ターミナルがあっただけ。その後マイクロ・バスが通るようになり、その後は普通のバスが。そして市交通の黒字路線となる新興住宅地となりました。

 さてその西野も住民が老齢化し、人の気配が少なくなり今度は世代交代となる。それぞれの地区もなにもないところから生まれ、成長し、そして衰退していく。さらに世代交代して再び活性化するんですね。で、話をまとめようとすると、家も似たように発生・成長・成熟?・老化していくと。

 家の解体に生物の最後と似たような類推(妄想?)が働くのも故のない事ではないと、まとめて終わります。

 写真は解体の写真がうまく撮れなかったので、カタラーナというお菓子の。先週行った東急デパートの「ルース・ロウ」というお店のデザート。カスタード・プリンを冷凍させたようなもんで、美味しいです。