スティングの『デュエッツ』を聞く

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スティングのコンピレーション・アルバムDuets(2021)を聞いています。人選がcolor blindでgenderも意識している。color blindというのは色盲ではなくて、肌の色に偏見を持っていないという意味です。余計な説明かも知れませんが、Gimsはコンゴ出身のフランスのラッパー、Shaggyはジャマイカ出身のアメリカのラッパー。Gashiはリビア出身。Zuccheroはイタリアのシンガー・ソングライター。Joe Lawryはオーストリアの女性歌手。そして懐かしいSam & DaveのSam Moore。

 1993年のTen Summoner’s TalesからのShape of My HeartをモチーフにしたRise & Fallがいい。イギリスのシンガー、クレイグ・デヴイッドとのデュエット。クレイグは父親がカリブ海の出身、たぶん黒人。

 そして1999年のBrand New DayからDesert Rose。ここではアルジェリアのシェブ・マミと。これは中東風の楽曲として魅力的です。1990年代のスティングはけっこうCDを買って聞いていました。

 スティングは格好いいおじさんだったけど、ふつうのお爺さんのようになったように見えます。俳優でも50代にかっこういい女性だったけど、60代になるとちょっとエキセントリックなおばさんになってしまった夏木マリ(僕と同い年です)。藤竜也は60代まで格好良かったけど・・・年を取ると目が小さくなるのか、ひっこむのか、目の力がなくなってしまうように思えます。

 Duets絡みで聞いていたEurythmicsのAnnie Renox。Here Comes Rain Againをピアノを弾きながら、皮のコートとパンツで歌っていたのが40代の終わりか。かっこういい。でも現在の60代半ばの写真ではふつうのおばさんに見えて。自分の事を省みると何も言えないので、それは無視して。

 でも年を取っての内面的な成熟と外見は一致するのだろうか。また様々な経験を積んでも、身につかない人も多いと思います。僕は経験とも内面的な成熟とも無縁な老人になってしまったように思えて。