プーチンと国家資本主義

 奥さんがウクライナ情勢にずいぶんと関心を持っていて、関連するNHKスペシャルを熱心に見ています。

 現在のウクライナ侵攻につながる、2014年のクリミア併合、さらに遡って2008年のグルジアとの紛争など、その時点で世界がもう少しロシアに注意していればよかったと思わざるを得ない。むりして仲間に入れる事はないにしても、孤立をさせないようにしておくばよかったと。

 ロシア、スラブ、東ヨーロッパは、欧米と異なる価値観を擁しているので、それについて理解をしなければならない。排除はもちろん孤立させてもいけないんだなぁとつくづく思います。

 いま後追いの勉強ですが、NHKは2009年の映像を再放送しています。つまりNHK自体が以前作っていた重要な映像をきちんと理解していなかった証拠のようですが、参考になります。グルジア(現在のジョージア)の柔道家一家の映像を見て、このロシアとグルジアに分かれた一家は今どうなっているか気になります。大相撲のもと大関栃ノ心ジョージア。格闘技が盛んなのか。

 タイトルと関連するオリガルヒの一人、スリペンチェクという2009年当時44才の童顔の巨漢。この人も空手の黒帯。自家用ジェットでシャンパンとキャビア。もう飽きたと嘯いていたが、実は2008年のリーマン・ショックの影響が足元に迫っていた。僕は経済と無縁の職場にいたけれど、2010年前後のアメリカの小説読むとかなりその話題や影響が書き込まれていました。

 さてこの若き(と言ってもいいでしょう)オリガルヒが国家の足下に下らなければならない状況が、映像のタイトル「プーチンのリスト」でした。石油産業などの国有化がはじまり。プーチンは国家に必要な産業や企業を選抜する。そのリストに入ろうとオリガルヒたちはいろいろと画策する。

資本主義と国家、重要な問題だと僕でも思います。共産主義はほぼ失敗した。中国や北朝鮮は党と個人の独裁になり果てた。だからと言って資本主義世界が成功したとは決して言えない。ロシアのオリガルヒに相当するIT長者などは欲望資本主義の権化だと言えます。

 アメリカでも、ちょっと市場に国が介入すると社会主義だと言われかねない国への不信が根強くあります。そんあ意味でで資本主義と国家主義を絶妙にブレンドするプーチンは現代のラスプーチンかスベンガリか。ラスプーチンにはプーチンが入っていますね。現在のプーチンの妄執/老醜にはない、若き狡猾な独裁者の顔が見えて恐ろしい。