「与話情浮名横櫛」と「玄冶店」、どう読む

 読みかたは「よわなさけうきなのよこぐし」と「げんやだな」。

 歌舞伎狂言「与話情浮名横櫛」4幕目の妾宅の名前「玄冶店」。江戸時代の医者岡本玄冶の屋敷跡のようです。

 これは春日八郎の「お富さん」でも歌われている。僕は中学時代1965年頃、大晦日にテレビで放映される「雲の上団五郎一座」の三木のり平と八波むとしのコントがとても、すごく面白くて、兄とお腹を抱えて笑い転げました。それが演目は「玄冶店」のようです。そんな事は高校時代にみたコント55号と並ぶ、私的2大最強コント。

 この「玄冶店」では切られの与三を三木のり平が演じていたその扮装や身振りも覚えていますので、八波むとしは蝙蝠の安、由利徹がお富さんを演じていた。

そんな三木のり平は森繁の「社長シリーズ」でも営業部長役で、いつでも「パァーッといきましょう、パァーッと」と宴会をセッティングする。思わず「宴会部長」と書き間違えそうになりました。前後の脈絡もなく、また場の空気も読まないで「パァーッといきましょう、パァーッと」と周りを宴会ムードに巻き込む。三木のり平が出てくると楽しい気分になります。貴重な、本当に貴重な喜劇役者でした。

参考文献として三木のり平、小田豊二(聞き書き)『のり平のパーッといきましょう』(小学館文庫、2002年)をあげますが・・・