『BOSCH/ボッシュ』の相棒

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ハリー・ボッシュの相棒ジェリー・エドガー(男性、黒人)は原作では、中年、副業が不動産業。この刑事の副業というのが日本人の感覚ではよく分からない。ボッシュ・シリーズでも警備員を副業にしている現職の警官がい当たり、それが『BOSCHボッシュ』では元刑事という設定で、悪徳警官グループのボスを演じていた。さらにハリソン・フォード主演の『ハリウッド的殺人事件』(2003)で刑事がやはり不動産業を副業としている。

 でこのエドガーは刑事一筋のボッシュと違うので、本当の友とはならないが、パートナーを解消した後もシリーズには出てきます。。実はこのようにシリーズの中で再登場するキャラクターを『BOSCHボッシュ』では「リカーリング・キャラクター」と表現していました。これはrecurring の事でrecur「繰り返される」から来ています。

 さて映像では青年後期の俳優ジェイミー・ヘクター。撮影時40歳近い俳優ですが、童顔で見た目は若く笑顔がチャーミングです。ボッシュとの関係も原作よりも近くて密になっています。俳優のジェイミーがハイチ出身で、原作の『ボッシュ』シリーズにはないのですが、ジェリーの出身をハイチにして、それが物語とも関連している。ハイチの秘密警察出身でロスでも悪い事をしている人物を司法では裁ききれないとして射殺してしまいます。

 その時の銃を持っている人物の射殺は、シリーズ1のエピソード1でも銃を持っている/抜こうをしている被疑者のハリーによる射殺が裁判になっていて繰り返されるテーマです。警察官が任務を執行する際の銃を持っている被疑者への発砲が問題になっているのだと思います。発砲後は警察の内部監査に状況を審問され、カウンセラーに診てもらう事も義務付けられています。これはチャールズ・ブロンソンの『狼よさらば』(1974年)でも問題になったように「自警主義」の流れです。2014年、17年のブログでエルモア・レナードローレンス・ブロックのマット・スカダ―物で言及しています。

BOSCHボッシュ』を全シリーズ、全エピソード見終わった後に、アマゾン配信のヒップホップ系の映像を見ていました。2パック・シャクールの伝記的な劇映画All Eyes on Me(記録ではなく)を見ていたら、2パックの義理の父親シャクールを演じていたのがジェイミーでした。お母さんもかなり過激なブラック・パンサーの党員だった。映画のタイトルは2パックのアルバム・タイトル名でもあります。1995年に25才でなくなった2パックはかなり、もしかして1番好きなラッパーです。