ビッグ・バンドを斜めから

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 ここ数日はビッグ・バンドを聞いています。でもエリントンやベイシーのアルバムを1枚も持っていない偏屈なジャズ・ファンなので、偏向したビッグ・バンド・ジャズの話になりそう。ギル・エバンスについてはブログ本で書きました。

 聞いているのはクラーク=ボラーンの欧米混成ビッグ・バンド。これも1970年代のジャズ喫茶(アクトです)で『サックス・ノー・エンド』(1976)。MJQのドラマーの座をコニー・ケイに譲って渡欧。ベルギーのピアニスト/アレンジャーのフランシー・ボラーンと相当バンドを結成し、途中から2ドラムにしました。1968年の『オール。スマイル』、1969年の『フェリーニ』や『ヴォルケーノ』をはさんで『モア・スマイル』など15枚以上のアルバムを発表しました。

 1969年のサッド・ジョーンズ=メル・ルイスの『セントラ・パーク・ノース』。当時も聞いていたけれど、後からジョー・ファレルがいたのでさらに注目。来日した時に札幌駅でサッド・ジョーンズ、ペッパー・アダムズ、ジョージ・ムラツを見かけました。

 1971年はイギリスのマイク・ウェストブルックの『メトロポリス』。これもフリーキーなブラスの音群の中からロック・ビートが浮き上がり、ソロが始まると言う好きなタイプの出だしです。

 同じ1971年、今度はアメリカのトランぺッター、ドン・エリスの『テアーズ・オブ・ジョイ』、これはジャケットがいい? 同年の『フレンチ・コネクション』の音楽を担当していて、これもジャジーでよかった。実は1966年のモンタレーでのライブがよくて、冒頭の19拍子の演奏が素敵でした。今の学生は映画『セッション』で取り上げられた「ウィップラッシュ』を知っていました。

 後はイギリスのジョン・サーマンHow Clouds Can You See?(1970)。これは7分くらいアヴァンギャルドなコレクティヴ・インプロヴァイぜ―ションに耐えた?後で、フツーのブラスの伴奏にバリトン・サックスのアドリブが出て来まます。

 それに比べるとアメリカのチャ―ルズ・トリヴァ―のImpact(1975)はストレートにラッパを吹きまくるビッグ・バンドまたは大編成コンボ。まだ一緒ではあるけれど僚友スタンリー・カウエル(P)の頸木から脱したのか、のびのびと演奏しています。

 フィル・ウッズのヨーロッパでのリズム隊のピアニスト、ジョルジュ・グルンッのビッグ・バンドにも関心があるのですが、ほしいCDの中古の値段が高すぎて・・・

 写真はドン・エリスのTears of Joy。ドン・エリスのCDは7枚あったので、まだ聞けます。そう言えば、高橋達也と東京ユニオン+三木敏悟の『北欧組曲』も懐かしくてCD

で買い直したけれど、期待したほどではありませんでした。三木敏悟は中本マリの『アフロディーテの祈り』(1979)のアレンジがよかった。