『ブギウギ』って?

『ブギウギ』は主演女優が今までも数本見たテレビの演技(役?)をみてあまり期待しなかったけれど、今回は演技も達者で役も明るく楽しい。けっこう泣かせる場面もあって。

 本家の歌と踊りは、当時としては画期的だったのでしょうが、今の感覚からするとやっぱり古臭い。趣里ちゃん(と言ってしまおう)の方が、今風で聞きやすい。

 すず子役の趣里もいいけど、先輩の大和令子役の蒼井優がとってもよかった。ふっくらして毅然として。素のインタビューも好感度大(大大?)でした。その意味では、趣里ちゃん(すっかり~ちゃん付けで)も素顔の方がいいくらい。久しぶりで朝の連ドラにはまりました。脚本(設定とセリフ)と演技がいいので、気持ちよく泣けます。

 さて本題?の方の、ブギウギの語源は名詞boogieがアフリカの複数の地方で「太鼓をたたく」、「踊る」という意味だったという説。そしてboogieから韻を踏んでの反復としてboogie woogie。

 ブギ(boogie)はピアノによるスイングまたはシャッフルよるリズムによる反復フレーズであり「8ビート最高の芸術」とも言われ、ギターやベースなどの楽器に適用されブルース、スイング・ジャズ、ロックンロールなどで用いられる。

 最初のブギウギは1928年シカゴで録音された「パイントップス・ブギウギ」は音楽史上最初のタイトルに「ブギウギ」という言葉が使用された最初のレコード。

ブギウギとジャズの関係としては、1938年トミー・ドーシー楽団が「パイントップス・ブギウギ」をビッグバンド用に編曲しヒット。聞いてみると、列車の擬音(発車のベル、車輪の音)からピアノのブギウギのリズムなど使われていて面白い。この後もだいたいこの路線での音作りのように思えます。

 その後のブギウギのジャズ的展開。

1941年、アンドリューズ・シスターズ「ブギウギ・ビューグル・ボーイ」が1948年「東京ブギウギ」になったらしい。ビューグル・ボーイはラッパ手かトランペット吹きの意味です。1973年にベット・ミドラーがカバーしたらしい。3姉妹は歌も踊りも達者です。

 1944年にはライオネル・ハンプトン 楽団「ハンプス・ブギ・ウギ」。これはビッグ・バンドとオーケストラの演奏で聞いたので、ブギ・ウギ感は少ない。もちろんリズムはブギ・ウギだけど。

 1946年、ジーン・クルーパ「ブギ・ブルース」。キャロリン・グレイという美人歌手のボーカルで聞きました。

 1947年、カウント・ベイシー「ワン・オクロック・ブギ」。これも列車の擬音(発車のベル、車輪の音)からブギウギのリズムのピアノへ。ベイシーのピアノが打鍵的。

 ブルースのブギウギの例として、ジョン・リー・フッカー 1946年「ブギー・チレン」→「ブーン・ブーン」。この「ブーン・ブーン」はジョン・リー・フッカーの代表作。「チレン」は「チルドレン」の黒人英語・スラング

 こんな風にブギウギを調べてみました。まとまらないけれどけっこう面白かった。

   写真はブギー・ウギ―とどんな関係があるのか。モンドリアンの「ブロードウエー・ブギー・ウギ―」。たぶんMOMAでみました。