Sunday, Bloody Sunday

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   U2の3作目WAR(1983年)のオープニング・ソング。この曲は1972年ジョン・レノンSometime in New York Cityに収録された同名の曲にU2のギタリスト、エッジが触発されて書いた曲です。

 昨日の50年前が1972年1月30日の「血の日曜日」事件だった。リバプール出身のビートルズのメンバーはアイルランド系が多い。ポールはマッカートニーという苗字がそうだし、レノンもそんな感じか。僕のアイルランド体験は、これも何度か書いているけれど、1997年に4か月ロンドンにいた時に、リバプールの近くからフェリーでダブリンに行きました。何か素朴な、田舎の雰囲気も漂う都市で、ジェームズ・ジョイス・センターとか、ゆかりのパブを訪ねました。もちろん黒ビールのギネスの工場にも。

 その後2001年にニューヨークに半年いた最後に9.11に遭遇し、9月末の帰国時のケネディ空港での荷物チェックの厳しさに驚きました。それから20年、「血の日曜日」から50年たってもテロや紛争がなくならないんですね。

 アメリカ文学を研究するために、アメリカの歴史を勉強するとアメリカがいかに多くの戦争をして、他国の主権を侵害してきたかしって驚きます。また今漱石について読むと、アメリカの前の派遣国家である大英帝国の同様な所業についてあらためて知り、残念な思いに。さらに日本のそのような欧米の植民地主義的な国となっていった事にも。漱石によく出てくる所謂「大陸浪人」も植民地化した満州や朝鮮に内地で成功しなかった人が一旗揚げようと出ていく場所であった。『それから』の平岡や『門』の安井など。

 Sunday, Bloody Sundayに戻って、I can’t bekieve the news todayという歌声と、エッジのギターのカッティングが思い出されます。写真は若い時のU2。Sunday, Bloody Sundayっていうと、映画では『日曜日は別れの時』という変な邦題で公開されたイギリスのジョン・シュレシンジャー監督の作品。これは1971年公開なので北アイルランドの事件とは関係ない、同性愛の男性カップルに女性が絡む話です。ゲイであるシュレシンジャーは『真夜中のカーボーイ』の監督でもありました。

 そしてBloody Sundayってのは「日曜日にはうんざりする」という意味で、Bloody Monday「月曜日にはうんざりする」という方が普通ですね。週末の休みが終わって、また仕事が始まる事への嫌悪感でしょうか。そのアレンジ版としてBloody Sundayがあり、何もすることがない人、会いたい人もいない孤独な人にとって、日曜日も「うんざりする」のでしょうね。