イギリス英語@『ナイト・マネージャー』

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今度はジョン・ル・カレの『ナイト・マネージャー』(1993)の英米合作テレビ(2016~)を見ています。

 原作は文庫で読んでいましたが、けっこう面白い。年末から3作ほどアメリカの作品を見てきましたが、今度はイギリスなので、英語がゆっくりして聞きやすい。品格もある。悪人も話すキングス・イングリッシュ。でもロンドンのMI6(国外問題を扱う情報機関)の末端組織のオフィスは質素というか、少ししょぼい。『SUITS/スーツ』の法律事務所のオフィスはガラス張りでモダンでしたが、お金のない人向けの法律相談所のオフィスのよう。でも、それもイギリスっぽいか。

『ナイト・マネージャー』はナイト・マネージャー(夜間支配人)をしているジョナサン・パインの物語です。イラクにも赴任していた事もある元兵士である事は、戦争や兵器の残酷さを知っている事、穏やかな外見ですが、最後の方で暴力的な格闘技も発揮します。

発端はエジプトのカイロで愛してしまった女性の死をきっかけに、武器売買を食い止めようとイギリス情報部のスパイとなり、武器商人に取り入って組織の内部に入り込みます。そこでのボスの片腕との確執、ボスの推さない息子との交流、そしてまたボスの愛人との関係など、錯綜して危険な領域に踏み込んでいきます。

イギリス政府上層部の腐敗などもあり、情報獲得の成果がボスに筒抜けになったり。ジョナサンを演じるトム・ヒドルストンがなかなかいいです。たれ目の、長身の穏やかな青年。ボスのヒュー・ローリーはあまり大物武器商人には見えない。そう、あるエピソードで作者のジョン・ル・カレカメオ出演をします。眉毛が特徴的なおじいさんで、それほどよくはなかったような。

『SUITS/スーツ』の英語はそれなりに知的なんでしょうが、相手を論破するようなマシンガン・トークが多かったので、『ナイト・マネージャー』の対照的な英語は心地よかった。

 トム・ヒドルストンウディ・アレンの『ミッドナイト・イン・パリ』(2011)でフィッツジェラルドを。写真はスピルバーグの『戦火の馬』(2011)でカンバーチッチの演じる少佐の部下(大尉)を演じた際の。

 雪かきを終えてきました。今年は20年ぶりくらいの大雪でしょう。ウッド・デッキに積もった雪はきれいですけれど、その高さが半端でない。設置しているロード・ヒーティングを使おうかと。