自粛―感情/情報/判断

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 2月末で閉店する友だちの店で来週する予定だったささやかな集まりは中止にしたという連絡が入った。楽しみにしていたのですが、自粛という事のよう。何人集まるかは知らないが、発起人(のような役回りの同級生)の判断は正しい(ように思う)。この辺り表現は難しいが、予定通り実施して何かあったらまずいだろうし。で、29日の最後の日は個人的に行こうかなと。

 今回のコロナ・ウィルスの件で、政府(首相や、厚生労働大臣)の腰は徹底的に引けていて、何もしないうちに終息すればいいと期待していたのではないかと思います。ある番組で橋下元大阪府知事が言っていたように、後から大げさだったと言われても最初にきちんと対応すべきだった。

 ずっと騒がれていたダイヤモンド・プリンセス号についても、船籍による旗艦主義、船長の責任、乗客と乗組員の国籍などによる責任の所在を明らかにして、公海から那覇で日本に入国した後なので、日本政府が主導してイギリス(船籍)やアメリカ(クルーズ船の運営)などと調整する必要があったはず。クルーズ船のツアーなどの運営は日本法人だが、本社?はアメリカのようだし。僕はクルーズ船の報道の中で、いつ政府の方針発表があるかをずっと待っていました。

 実はメディアもそこにふれていないのは不自然でした。メディアって、ニュースだけでなく、政府の取った処置だけでなく、取るべき処置についても報道して促してもいいと思います。

 不測の事態が起きると感情的に反応するけれど、情報が入ると理性的に判断するようにシフトしていきます。ただSNSの時代では不適切な情報が飛び交うので、行政はそれを整理して、国民が安心して対応できるような行動規範を示す必要があるように思えます。

 今回はそれをネグレクトしたので、症状はあまり重くないけれど、感染拡大が早い/広いウイルスに利した?ようなけ結果になってしまった。何か起きた時、リーダー(Aさん)が「大変だ、でもできるだけ早く何もなく済んでほしい」と思うのは個人として普通の反応だと思います。しかしその次の段階で、「それではだめだ、専門家の意見も聞いてどのように対応する事が国民のためになるかすぐに検討して決めていかなくてはならない」となるべきだと思います。

 つまり個人的な感情の部分はできるだけすぐに切り上げて、情報/判断のプロセスを早く大きな視点で進めなければならない人と組織が機能しなかった。リーダーの資質が不足して、組織が機能不全に陥ってしまったのだと思います。それも国民の責任でもあるのかな。

 写真は先週行った芸術の森美術館の野外彫刻展の雪が積もってきれいなピラミッドです。先に来た人の足跡が手前にあるのが残念ですが。その後家のそば公園でもかんじきの足跡があって、うちも来シーズンにはかんじきを買って新雪の上を歩こうと思っています。