『マッセイ・ホール』を聞く

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 僕の何倍もジャズに詳しい友達のブログを読んで、アマゾンで買いました。

 アルバムは『ジャズ・アット・マッセイ・ホール』。1953年カナダのトロントのマッセイ・ホールで行われたライヴです。ビバップの巨人たちが一堂に会したジャズ史でも有名な録音で、寡聞にも僕は聞いていませんでした。というか、モダン・ジャズの、それも新しい方面に関心があったので。

 何がすごいかと言うと、ディジー・ガレスピー(tp)、チャーリー・パーカー(alts)、バド・パウエル(pf)、チャールス・ミンガス(b)、マックス・ローチ(ds)が同じステージで演奏したという歴史的事実です。

 ガレスピーが最年長の35才で、あとのみんなは30才前後。ビバップの最盛期は終わり、時代はハードバップ。パーカーはあと数年でなくなります。パウエルも最盛期からスランプにかかる時期です。

 で、メンバーは最高、演奏もけっこういいんですね。ガレスピーのトランペットはよく鳴っています。パーカーも自分の楽器は忘れたらしいですが、借り物でも演奏はいい。パウエルもいい時の神がかった凄みはないもののコロコロといい感じのピアノです。ベースは後から音を大きくしたのか、よく鳴っています。

 1曲目の「パーディド」もいいすが、3曲目の「オール・ザ・シングズ・ユー・アー」の出だしがいい。それとラストの「チュニジアの夜」のざわめきと祭りの終わりのような静けさのアンビバランッもジャズらしくていいです。