宇宙と多様性

 ちょっとオーバーなタイトルですが、例によって羊頭狗肉
 宇宙って英語でuniverse。大学のuniversityと似ている。それと最近は「ダイバ
ーシティ」と時々言われます。「多様性」と言えばいいのにまだ英語を使いたが
る。sustainailityもそう。もとの職場の経済学部ではかなり前から言っていまし
たね。「持続可能性」。
 さてdiversityについて。また例によって昔の英語教師の悪癖が頭をもたげます
。diは「離れて」、verseは「向く」。英語のturnと同じ。「多様性」と訳される
けれど「ばらばらに、いろんな方向に行く」ともなります。つまり肯定的な訳と
しての「多様性」。
 で最初のunivrseに戻ると、「一つの方向に向く」となります。少し敷衍すれ
ば「一つの方向≒目的をもつ」または「「一つの方向≒目的をもった共同体」と
なり、宇宙/世界そして「大学」になる訳です。ちょっと敷衍と言っても無理は
ある訳で・・・  
 「大学」universityの方は、様々な学部の総合体でもあり、昔は教師と学生が
学ぶための組合でもあったんです。ラテン語的に「ウニベルシタス」と表記すれ
ば、法政大学出版局の学術翻訳叢書の意味にもなるし、ドイツでも同名の学術雑
誌があるらしい。
 はじめに戻りますが、最初は多様なもの/存在/考えを統合しようとした。そ
れは世界の人々がよりよく生きるためだったはずが、逆に統合/統一が人々を苦
しめるようになる。そして多様性を認める方向に。
 でもそれって先鋭的な研究や論考では、たとえば『脱アイデンティティ』って
上野千鶴子さんたちが書いた本では20年以上前から言っている。それが僕の英文の先
輩は「一人多民族アイデンティティ」って40年前にも言っていたような。

 僕がしつこく言っている「ポストモダン」では「分裂」がキーワードだった。統一や統合では息苦しかった1960年代を象徴しているような。でもそれが「多様性を認める」という延長的な、改善的なパラダイムまでは少し/けっこう時間がかかったかも。

 写真は昨日の公園。家から生協に買い物に行く途中の景色です。パノラマで何回かトライして失敗。普通に撮ったらよかった。でも雪が空の色と近すぎるかな。