2パックの一般的/個人的名曲

 まず詳しいサイトによる名曲。

・Holla at MeはAll Eyes on MeのDisc2の3曲目。冒頭の女性ボーカルは迫力あります。

・Can’t C MeはAll Eyes on MeのDisc2の1曲目。ウェッサイのG-ファンク感が強い。「ウェッサイ」はwestide(西海岸)。G-ファンクはギャンクスタのGで、ギャングのネタが多いファンクのゆったりとしたグルーブ、シンセやコーラスも多用する(らしい)。

・Hit’Em UpはGreatest HitsのDisc1の1曲目。ディス・ソング。ディスとは最近一般でも「ディスる」と使われる元の英語がdisrespect。Respect(尊敬する)の否定の接頭辞disがついて「侮辱する」。この場合の侮辱の対象は、他のラッパーだったり、NYとロスのレーベル同士の対立も背景にあります。NYにいた時にテレビでRap Warというタイトルの番組をやっていました。NYのパフ・ダディたちのBad Boyとロスの2パックたちのDeath Rowの対立・抗争です。

 2パックが1996年暗殺された翌年、元は友だちで後に対立したノトリアスBigが暗殺されます。ノトリアスBigはパフ・ダディの盟友。NYにいた時にキンコーで話した黒人青年はBigの葬式に参列したと言っていました。

・Life Goes onはGreatest HitsのDisc1の11曲目。メロー・ヒップホップの名曲らしいですが、僕はちょっと。Dear Mamaもそうですが、メローすぎる。元職場の同僚(アメリカ人の女性)の息子さんと話した時に、2パックというとDear Mamaの名前を出したくらい有名な曲のようです。

・ChangesはGreatest HitsのDisc2の5曲目。イントロもラップもカッコいい。けれどそれ以上ではないかな、僕的には。

・Do for LoveはR U Still Down?のDisc2の6曲。ボビー・コールドウェル(懐かしい)の曲をサンプリングして聞きやすい。イントロも2パックのラップもかなりいい。途中の女性ボーカルも。僕は好きになりました。

 

さて僕の個人的な好みによる2パック。でもヒップホップって好みを説明しずらい事が分かりました。

Got My Mind Made Up。All Eyes on MeのDisc1の4曲目。ピアノのイントロ/ループが格好いい。2パックのラップはクール。これは僕の好みで、一般的ではないかも。

Picture Me Rollin’。All Eyes on MeのDisc2の7曲目。「いかした車で街を飛ばしている俺を想像しみろよ」というタイトル通りの曲。僕はこの時代の黒人の若者が格好いいという車がベンツやアウディではなくレクサスであるとヒップホップのライムを読んで知りました。確かにレクサスの車の形は若々しく荒っぽくも格好いいか。

  2pacの隣は西海岸のDr.ドレの仲間、有名なスヌープ・ドギー・ドッグ。NYにいた時にテレビで見ましたが、かなり下品な番組でした。でも僕はスヌープの妙にスムーズで、でも何となく少し気味の悪い声が嫌いではありません。

・Secrets of War 。Still I RiseのDisc1の4曲目。Hit’Em Upと同様にRap War(日本ではヒップホップの抗争というらしい)をテーマに、分かりやすい言葉で、でも静かに激しいラップです。

・Reall Bad BoysThe Here Afterの2曲目。本当の悪だぜというどすの聞いた内容が少しルーズなバックで、その対比が効いている。

・Monday Morning。The Here Afterの7曲目。「月曜の朝」という倦怠感がカッコいいループで聞かせます。

 

 ヒップホップについての考察について、以下じぶんの論文を紹介します。

 

・「ヒップホップという亀裂」

 『ポストモダン都市ニューヨーク』(松柏社、2001年)に書いた36頁、20、000字の論文です。全文を元の自分のHPに置いてあります。http://www.jin.hokkai-s-u.ac.jp/~honjo/hiohop.htm

 

・「Drop the Beat――ヒップホップとポストモダニティ」(2009年)

 これは元職場のアーカイブに置いてあります。http://hokuga.hgu.jp/dspace/bitstream/123456789/1193/1/GAKUEN-142-3.pdf

 

 読んで感想を聞かせてもらえれば幸いです。