今度は『Mad Men』

 アマゾン・プライム(会員の特典らしいです)で、『ボッシュBosch』を年末に集中的に見てから、今度は2007年から14年まで、シリーズ1から7まで作られた『Mad Men』のシリーズ6と7をこの3~4日間みました。これは2014年にシリーズ1から5までDVD(研究費で)でみて、ブログに書き本にもコメントを収録した作品です。

 1960年代のNYのマディソン街にある広告会社の話。腕利きの広告マン、ドン・ドレイパーが主人公。シリーズ内の1エピソードが47分。1シーズン内にエピソードが13か14あって、シリーズ1~7で通算92エピソード。72時間。今回はシリーズ6と7なので、21時間。1日5時間くらい見ていました。

 主演のジョン・ハムジェームズ・ボンド役にしてもいいような渋いけれどセクシーな2枚目。それに声がいい。ここは僕的にはポイントです。2010年の『ザ・タウン』(The Town)のFBI捜査官役で見ていました。原作はチャック・ホーガンの『強盗こそ、われらが宿命』(Princes of Theives, 2004)でハメット賞受賞作。

 でジョン・ハムはシーズン1の頃は37才、最後は44才か。あらためてシーズン1をみるとまだ若い。途中から体重も増えて中年化していった。仕事も人間関係(家庭、職場、恋愛、不倫)も悩みが多い。そして60年代ですから煙草は吸い放題ですけど、その健康被害が問題になってき始めている時代で広告にも影響が出てきます。

 仕事中の酒も、時代と業種によるのでしょうけれどすごい。コーヒーの代わりにオフィスに置いてある酒がでてきます。ウィスキーは「カナディアン・クラブ」が名前が分かるようにボトルを見せるけれど、スポンサーなのかな。

 主人公は朝鮮戦争に従軍時に戦死した上官(ドン・ドレイパー中尉)の名前を詐称し、娼婦の息子として育った過去を抹消します。それが上司や同僚の一部に知られ、また異母弟が出現して過去に苛まれることにも。

 それ以外はキング牧師が暗殺された時の、黒人の悲しみや白人たちも動揺する反応が具体的に描かれていて興味深かった。最後は会社を辞めて放浪し、ヒッピーのコミューンというか、宗教的/非宗教的な癒しのグループ・セラピーの影響を受けるのも60年代後半の時代を描いているようだけれど、少し浅いかな。

 またシリーズ1に戻って見直していますが、覚えていない場面も多くそれなりに新鮮です。