NHKの朝の連ドラ(再放送)+テレビ版(カナダ製作)などかみさんが見ているので、家庭内の会話のために僕も見ています。するとつい原作(文庫)、解説本などにも手を出して。
アンが引き取られるカスバ―ト農場には少年の雇人がいます。親切な彼に対して、アンがぶっきら棒に対応するのを変だなぁと思っていました。最初に少年(ジェリー)が「ジュマ・ぺル・・・」と言ったのでフランス系かなと思いましたが、『快読『赤毛のアン』』(菱田信彦著、彩流社、2014年)にアングロ・サクソン系が主流で、フランス系はかなり下に見られていると知りました。舞台のアヴォンリーはスコットランド系の長老会派の教会が支配するコミュニティです。19世紀の終わりで、日本では明治時代ですね。
もちろんアングロ・サクソン系はイングランドですが、本当はケルト系のスコットランド系もアングロ・サクソン系の中に、下の方かもしれませんが属しています。アイリッシュだとカソリックなので、別の教会とコミュニティになるのでしょうが。それにしてもアーケイジャン、ケイジャンがこんなに階層的に下とは知らなかった。
アンを理想化する訳ではありませんが、少し残念。これってその時代の社会と文化を知らないと誤解する。個人的な差別ではなく、社会の差別で、子供のアンも知らないで同じ行動をしています。もちろんあのマリラも。マシューはどうだろうか。
注文した『赤毛のアン』(松本侑子、文春文庫)を途中まで読みました。これは児童文学を超えています。中学校以上じゃないと、この描写の厚みというか、文学的な小説は理解できないのでは。テレビ映画(カナダの)よりもマリラのアンへの愛情が早くから抱いている事が細かく心理描写をされています。テレビのマリラは厳しい顔つきをした(男顔?の)背のすらっとした女優が演じていてとてもいいです。ジェラルディン・ジェームズという撮影の時には60代後半のイギリスの女優です。ぼくは時々かみさんが見ているテレビをのぞいていて、このマリラがいいな、彼女が成長する話だなと感じていました。
そのあたりも含めて、後半を読みます。『アンの青春』も注文しました。『アンの愛情』については迷っています。装丁が少女趣味で恥ずかしい。でもたぶん注文するでしょう。