ショーン・コネリーの眉毛

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  ショーン・コネリーが90才で亡くなった。僕は1965年中学生の時に見た『ドクター・ノオ』(1962)がビキニ姿のアーシュラ・アンドレスとドクターを演じたジョゼフ・ワイズマンの不気味なメーキャップが印象に残っています。『ロシアより愛をこめて』(1963)ではロシアの美女ダニエラ・ビアンキと殺し屋のロバート・ショー。

『ゴールド・フィンガー』(1964)では悪徳実業家ゴールドフィンガーのゲルト・フレーべと女性パイロット役のオナー・ブラックマン。『サンダーボール』(1965)では犯罪組織スペクターのラルゴを演じたアルフレッド・チェリのアイパッチと愛人のクローディ―ヌ・オージェが印象に凝っている。憎々し気な悪役と美女がこの種の映画には重要なんだと思います。

  残念ながら『007は二度死ぬ』(1967)は日本を舞台にしたけれど、またはそれゆえ描き方が恥ずかしい。日本の美女たちもそれほど魅力的ではない。コネリーも少し太めでカツラ(ヘアピース?)で格好よくなかった。

  それが100年前のモロッコを舞台にルーズベルト大統領と対立する族長を演じた『風とライオン』(1975)で復活します(僕的には)。はげも格好いいと思わせる魅力的な中年ショーン・コネリー。やはり中学の時に印象に残った長く形のいい眉毛、鼻梁、大きなでも形の唇、そして鋭いけれど包容力も感じさせる目のちから。あ、それと声の良さもあるかな。

  ジェームズ・ボンドに戻ると、女王陛下の殺しの免許証?を持ったスパイをスコットランド愛国者のコネリーはどのような思いで演じていたのかは分からないけれど、コネリー以降のボンド役を見ると、以下に外見と演技が適役だったか分かります。ハンサムだけど強そうでないロジャー・ムーアアメリカ人の2枚目のようなピアース・ブロスナン、面短(面長の反対)で労働者階級のあんちゃんのように見えるダニエル・クレイグと比べると、如何にコネリーがジェームズ・ボンドに相応しかったか分かります。『消されたライセンス』(1989)のティモシー・ダルトンはけっこうコネリーと似たクールで酷薄でチャーミングなジェームズ・ボンドに近かったような雰囲気でした。