デジタル・ミュージックを(少し)活用

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  授業で使う曲が手元にない。LPで持っていたけれどCDで買い換えるほどではないアルバム。今回はロックを紹介するので、3曲ほど購入。まだ1,2回しか曲単位でデジタル・ミュージックを購入した事はありません。1曲200円と250円なので、無理してアルバムを買うよりもいい点もあります。すぐデスクトップにいれて、そこでUSBに保存して、ノート・パソコンに移すという、パソコンに詳しいまたは普通の人が考えると信じられない機械音痴による面倒な作業です。

  1曲目はボズ・スキャグズのDown Two Then Left(1977)に入っているHard Times。ブルース・ロックから70年代のAOR(Adult Oriented Rock)のsoft &mellowな音楽に移行した例として紹介。デュエイン・オールマンと共演した”Loan Me a Dime”と比較して聞いてもらいます。”Loan Me a Dime”の方はオルガンを使ったブルース・ロックのギターの前奏が長い(3分くらい)けどいいです。Hard Timesはお洒落なサウンド。カフェ・バーなんてものが流行った1980年前後にもボビー・コールドウェルとかボズがかかりました。

  2曲目はスティーヴ・ミラー・バンドの『フライ・ライク・イーグル』(1976)。これもタイトル曲。今きくと少し演歌?っぽい。というのはあまりにも分かりやすいメロディーかも。でもブルース~サイケデリックを経て、ポップなブルース≒カントリー的なフレーバーが、ちょっとポスト・ヒッピー的なラブ&ピースの路線にもつながりやさしくてホッとするサウンドでした。

  次は少し手ごわいロンドン・パンクのクラッシュの『ロンドン・コーリング』(1979)。タイトル曲でオープニング曲。BBCが第2次大戦中も占領地向けの放送で使った”This is London calling”(こちらロンドン)によるもので、ロンドンからパンク(チンピラ)が世界に向けた怒号のような政治的メッセージ。シンプルで力強いです。

   こうして70年代のロックをふりかえると、その時代に若者だったわれわれの懐メロというだけではなく、70年代の音楽・文学・映画の生産性・質の高さは客観的に素晴らしいと思います。しかもそれを感受性の強い年代において受容できた幸運を感じます。