パット・メセニーについては前のブログでも4回くらい書いているのでけっこう関心があるんですね。他人事のようですが、今はあまり聞いていません。今回はヤン・ガルバレクを聞いていて感じたジャズというジャンルと、ジャズ・ミュージシャンのスタンス(立ち位置)について少し関心が立ち上がって。
ガルバレクのあるアルバム、ある曲がメセニーに曲調が似ている、サックスとギターの違いはあるけれどと感じました。そしてもともと黒人音楽的なジャズを基調としていたのではないし、北欧的なガルバレクも、故郷のカンザスの自然をイメージさせる曲やアルバムも多いメセニーも共通点はありそう。
そう言えば3年前に雑草を刈っていた時に、家でメセニーとチャーリー・ヘイデンのアルバムを流して聞きながら作業をしていました。その音楽が草と格闘?している場によく合う、いい意味で環境音楽のようだと書いていましたね。何気なく聞いて心地いい、ちゃんと聞いてもそれに応えるというのはいい音楽の要諦ですが。
ジャコ・パストリアスを迎えて発表した初リーダー作『ブライト・サイズ・ライフ』(1975)、セカンド・アルバム『ウォ―ターカラーズ』(1977)、『パット・メセニー・グループ』(1978)を少し後の1980年代によく聞いていました。怒涛の?大学院時代が過ぎて、30代の大学講師の時は、今の大学の様に雑用もそれほど多くなく、給料も悪くなく、のんびりと仕事と社交?生活を営んでいた時代の優しいジャズ。そう言えば、カフェ・バーとやらも流行っていて、アースキン・コールドウェルやボズ・スキャグスのソフト&メローな音楽がかかっていました。
さてパット・メセニーのグループではキーボードのライル・メイズが重要。パットのギターと共通しながら発展させたようなキーボードが協調と対位とでもいうような強力なサポートの役割を果たして言いました。ベースのマーク・イーガンとドラムのダン・ゴットリーブのいたパット・メセニー・グループ。
『オフ・ランプ』(1981)の1曲目のBarcaroleからAre You Going with Me?と続くボッサ・ロックのリズムとパットのピッキングの少ないレガート奏法による音楽空間ってけっこうはまりました。後からジム・ホールの音にも似ているかなと感じました。『ファースト・サークル』(1984)は5曲目のTell It Allがライル・メイズの キーボードが句読点のようにアクセントになって、パットのギターのフレーズが躍動しています。パーカッションのペドロ・アズナーのヴォーカルもいいです。実はこれって悲しい時に聞いていたような。個人的な懐メロです。聞いていた自分の個人史と寄り添っている音楽。タイトルの郷愁はここからきているような。
写真はジャケットが秀逸なOfframp。でも他のアルバムのジャケットもけっこういいです。