日本人のジャズ

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マルチ・リード奏者の松風鉱一のアルバムを探していて森山威男の『スマイル』(1980)にたどり着いた。 ピアノの板橋文夫の曲「ワタラセ」(渡良瀬)がいい。ナチュラルでノスタルジックなテーマと、激しいソロの交感。ポスト・コルトレーン的と言うよりもコルトレーンの日本的解釈が好ましい。森山のソロって激しく叩いても音楽的である事が分かった。この曲は板橋のソロ・アルバムよりもこのアルバムのインタープレイというかコール・アンド・レスポンスがジャズの醍醐味で聞いて楽しい。  アルバム・タイトルの『スマイル』はチャップリンの『モダン・タイムス』で有名な曲「スマイル」でこれも好演。

最後の「グッドバイ」はベニ―・グッドマンのクロージング・テーマで有名な方ではなく、板橋のオリジナル。中上健二原作、柳町光男監督の『十九歳の地図』(1979年)に書いた曲。主役の本間優二よりも蟹江敬三の怪演(好演?)が印象に残りました。曲は覚えていませんでしたが、いい曲でいい演奏です。

森山威男からみのエピソード。1970年代後半から80年代前後にかけて西高の先輩がプロではありませんが単発でジャズのプロモーㇳをしていて、山下洋輔さんのバンドを呼んでいました。サックスは坂田明さん、ベースは国仲勝男さん。ドラムスは森山さんだったか、小山彰太さんだったか。小山さんは札幌育ちで、現在札幌に在住だと思います。西野に住んでいた西高の先輩が、西野の僕の家に国仲さんを連れてきてコーヒーを出した記憶があります。山下さんのエッセイには僕の大学の先輩(アメリカ文学研究者、詩人、少林寺拳法の達人)が登場した事もあります。

 写真はテーブルのお気に入り。