スティングのNothing Like the Sun再び

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  シェークスピアソネット130からのタイトルを持つスティングの1987年のソロ第2作目。「私の恋人の瞳は太陽には及ばない」という否定的な詩句で始まり、何で恋人を貶すような詩なのかと不思議に思うかも知れない。さらにサンゴの赤、雪の白さ、バラの香りにも及ばないと言い続け、最後にそのような自然の美には及ばないけれど、地上の女性の中では最高なんだというちょっとひねくれたレトリックです。

  1987年はちょうど父が74才で亡くなった時で、ちょっとセンチメンタルな曲調の曲も多く、少し偲んで聞きました。スティングも亡くなったにお母さんに捧げるとアルバムのノートに書いています。スティングらしい歴史や社会の抑圧や自由について聖書や古典を引用した文学的な歌詞が多い。

  1曲目の「ザ・ラザラス・ハート」は聖書でキリストが甦らせたラザロをイメージした曲。カセットテープのCMに使われていて、本人も登場していたような。

 11曲目の Little Wingはもちろんジミ・ヘンのナンバーだが、ジミの曲集のアルバムも出したギル・エバンスのアレンジ。Little Wingはクラプトンの『愛しのレイラ』でのヴァージョンが一番好きですが。

 6曲目のFragileが好きで、スウェ―デンのジャズ・ピアノのスヴェンソンの演奏についてブログで書いて、本にも入れました。その後も歌手や演奏家のカバーを聞いています。イタリアのロベルト・オルサー、アメリカのレイチェル Zのピアノなど。自分でスティングの楽譜集を買ってみましたが、難しい。でもイントロ部分のギターを何とか指で覚えたのが昨年前半でした。

 まだポリスの頃に来日して、「夜のヒット・スタジオ」で演奏していた若き日も懐かしい。

 後から自分のブログで検索してみるとこのアルバムについては何回か書いていました。でも少し違う視点やコメントもあるのでいいかな。