しばらくオリバー・ネルソンの『ブルースの真実』(1961)に入っているStolen Momentsを聞いています。
この曲はネルソン作曲で、71年の『スイス組曲』や75年の遺作『ストールン・モーメンツ』にも入っています。しかも多くの人がカバーして、ロックのフランク・ザッパやアンディ・サマーズも演奏しているそうです。
さて61年版が気に入っている理由はメロディーの良さもそうですが、演奏がいい。フレディ・ハバード(tp)、エリック・ドルフィー(fl)、ビル・エバンス(pf)、ネルソン(s)、ポール・チェンバース(b)、ロイ・ヘインズ(ds)という本当に錚々たるメンバーが気持ちのいい演奏をしてくれています。
ハバードは少し抑え気味に、エバンスは少し後のモードの片りんをうかがわせながらバップ的な明るいフレーズで。ドルフィーも自分のアルバムの時とは違い大人しめのフルートですがアドリブはロジカル。
時代的にもハード・バップからモードに移行する時期で、演奏もその両方が入っている気がします。それがまたいい味となっている。全体として曲調は何か新しいものを予感させるような雰囲気をもちつつアレンジもアドリブもスマートですが、アドリブの中でちょっとづつ演奏者の個性が垣間見えて、とても気持ちよく聞く事ができます。
『スイス組曲」とアーマッド・ジャマルの『アウエイクニング』の同曲を聞いて、それぞれいいのですが、『ブルースの真実』の演奏が気に入って、歩きながらアイフォンで聞いています。
写真は鉢に残ったローズマリーを使った鶏もも料理。けっこう美味しいです。