日本酒の思い出

  年末年始は、食べ物や雰囲気もあり、日本酒に向いてしまいます。 

 常備しているのは「菊正」の4合瓶。浅草の並木藪に菊正のたる酒がおいてあります。と言うかそれしかない。日本酒について詳しくない僕としてはスッキリしていい。酒もスッキリしています。

 写真は並木藪の小上がりで美味しそうに飲んでいる場面です。いつ頃だったろうか。まだ若い。学会出張の合間によく出かけて行きました。と言うか、東京に行くとここに必ずと言ってほど行きました。酒のつまみに焼き海苔やわさび芋。焼き海苔は運ばれてくる焼海苔箱で自分で焼きます。わさび芋は箸でつまめるほど粘る。

 たしか銀座の「はち巻岡田」も「菊正」だったような。山口瞳のエッセイにつられて行ってみました。すると作家(故人)の奥さんと息子さんがいました。「菊正」は瓶詰も少し樽の香りが。

 それと久保田の千寿も美味しい。基本は4合瓶で1500円前後がポイント。それと地元の生協に置いてあるもの。吟醸ではなく、純米酒がいい。「〆張鶴」(新潟)や「神亀」(埼玉)もいい。「蕎麦のまるき」にも置いてありました。寿司屋では「北雪」(新潟)を飲んでいます。

 最近気に入ったのは福島の「奥の松」。随分と昔に東海林さだおのエッセイで名前をおぼえていました。それがけっこう美味しい。でも生協で置かなくなったのでアマゾンで買って飲んでいます。

 大学院の時に高校の非常勤のバイトをしていました。光星高校(私立の男子校)や開成高校(市立高校)など。光星の近くの食堂でよく昼食を先輩と食べていましたが、たまに夜に飲みにいらっしゃいとおかみに言われて先輩と出かけました。そこで飲んだのが二人で2升。とっくりがたくさん並んだ。一番飲めた頃か。20代は元気な事もあり、傷心の時もあり、ずいぶんと飲みました。

 光星ではA野さんという法学部の大学院の人も非常勤の同僚でした。なぜか西野の居酒屋で遭遇した事も。のちに外務省につとめタジキスタンで国連監視団の時になくなりました。二人で2升飲んだ英文科の先輩は、小樽の高校でA野さんと同学年だったとか。

 正月も終わり、在宅でグダグダと飲みながら、昔の事を思い出します。一番よく飲んだ友だちは4年前になくなったし。彼は日本酒がメインで、僕が2~3合くらいの時に5~6合は飲んでいました。よく一緒に酔っぱらったものでした。それもまた懐かしい。