始動、アップダイク

 

世の中は騒然としているけれど、こちらはそれを横目に見ながら自分の仕事?

 3月に研究会でジョン・アップダイクの発表があるのでその準備です。また司会。

 アメリカ文学の北海道支部は全国に7つある支部の中で一番小さい。東京・関西・中部・中四国・九州・東北そして北海道。支部会員でアップダイクの司会に相応しい人は数人いるのですが、諸般の事情で70過ぎの支部執行部の幹事が登場します。

 でアップダイク(1932⁻2009)。

 戦後、ユダヤ系作家と黒人作家の台頭と同時に、雑誌『ニューヨーカー』を舞台に活躍した作家たちの一人です。他にサリンジャーやジョン・チーバー、ジェームズ・サーバーなどで。

 『ウサギ』シリーズが一番有名だろうか。郊外の家族・若者の成長と成功そして老後。それと家族や恋愛を描いた短編がうまい。若い時は上手い小説が好きではなかったけれど、今はその意味が分かるようになった(気がします)。

 映画化は『イーストウィックの魔女たち』くらいかな。少しSF的な、ホラー的な、そして神話や古典に依拠するような作品もあります。順に『終焉』(1997)、『ケンタウロス』(1963)、『ガートルードとクローディアス』(2000)など。

 あと絵画の解説本Just Looking,に始まり、Still Looking, Always Lookingと続く3冊が面白い。絵に対する目利きと文章力(当たり前か)がすごい。上手い。翻訳してみようと思ったくらいです。ハーヴァードを卒業した後、奨学金でオックスフォードに留学し「美学」を学んだというので、本物か。絵もかくのでしょう。

 とにかく多彩で、どれもレベルが高い。勉強のし甲斐があります。

 写真はパノラマで撮ってみました。左端のアップダイク事典は研究費で買ったのです。5千円前後かなぁ。もう少し高くても8千円くらいかなぁと思っていました。いま値段をみてびっくり。1万8900円!これは高い。私費では買えない値段です。

 でもパラパラと眺めてみるとすごく便利でした。