マイルス、スタジオ録音、ライブ、リミックス

 電化マイルスのMiles in the Sky (1968), Filles de Kilimanjaro(1968)を経てのIn a Silent Way (1969)は何ともなごみの、尖ったところのないマイルスだった。後知恵だけでWeather Reportを連想させる。Weather Reportは1970年スタートで、ジョー・ザヴィヌルウェイン・ショーターが同じメンバーだったし。個々のソロのない、グループ・エクスプレッションと言うらしいが、どうもBGMのような音楽にも聞こえます。

 そのIn a Silent Way ビル・ラズウェルがリミックスしたPanthalassa(1997)を聴きました。持っていたけれど聞いた記憶がなかった。どうして買ったんだろう。それがIn a Silent Wayのなごみを残しながら、輪郭が明瞭で聞きやすかった。『パンサレッサ』というらしい。アガルタやパンゲイ、そしてパンサレッサは想像上のまたは実在の古代の地名だったりします、その由来よりも音感でしょうかね。

 でも好きなのは、「黄金のクインテット」のスタジオ4部作を言われているE.S.P(1965) Miles Smiles(1966), Sorcerer(1967), Nefertiti(1967)の方です。やっぱり60年代のマイルスが最高。いまNefertitiから逆にE.S.Pに向おうとしています。Nefertiti のRiotが素晴らしい。でも一方E.S.PMiles SmilesにはさまれたAt Plugged Nickel(シカゴ)のライブ演奏のワイルドさにもひかれてしまう。

 それで今度は東京やベルリンのライブをはさむFour and MoreMy Funny Valentineになります。実はこっちの方が「黄金のクインテット」のスタジオ4部作よりもいいと言っていいかな。