チック・コリアとリズム

f:id:seiji-honjo:20210213104745j:plain


  チック・コリアと言えば1968年のNow He Sings Now He Sobs。1曲目のSteps-What Wasのスピード感とミロスラフ・ヴィトスのベースとロイ・ヘインズのドラムスのタイトなリズム。演奏中盤のドラム・ソロの後にベースに導かれるように始まるチックのピアノのフレーズが単に前へ進むのではなく、12音階をジャズに翻訳したとも言える横にずれながら前進するようですごい。

 1971年のPiano Improvisation vol.1はクリアでシンプルなソロが清新で、その後多くのジャズ・ピアニストがピアノ・ソロに挑戦するきっかけとなりました、

  チックは元親分のマイルスと同様に変貌の多いミュージシャンと言える。たぶんジャズというジャンルが揺れ動いていた時代でその事に自覚的に音楽を作ろうとしていたミュージシャンだったからでしょう。アンソニー・ブラクストンとサークルというニュー・ジャズのグループを結成。そして一転してニュー・エイジを志向すようなReturn to Foreverを発表する。

 1972の日本のジャズ喫茶を席巻したこのアルバムは、あまり始終かけられるので、またかとお店を出ていくひねくれた客もいました。でもスタンリー・クラークの切れのいい音とフレーズ、そしてチックのエレクトリック・ピアノがよかった。エレピはコードが濁って聞こえる事が多かったのですが、チックの場合、タッチがいいと言うかキーから手が離れるスピードが速いので、エレピがきれいに聞こえます。

 チックは出自がラテン・アメリカ(たぶんヒスパニックと黒人の混血だと思います)なので、頭の中でそのリズムが聞こえながら、フレーズを弾いているような、体にラテ的・黒人的リズムがしみ込んでいるというか。

 1960年代にジャズ・メッセンジャーズの一員として来日した時の、アイビー・ルックの写真を覚えていたのですが、残念ながらネット上では見つかられませんでした。