1964年4月ドイツでのライブMingus in Europe。サックスがエリック・ドルフィーとクリフォード・ジョーダン。
エリック・ドルフィーは6月に糖尿病による心臓発作で亡くなったようです。ツアー中の客死。
「黒人アーティスト、エトランゼ」(https://seiji-honjo.hatenadiary.jp/entry/2020/04/08/090232)では、ツアーの時に帰らないで、そのまま滞在したように書いたのですが間違いでした。『ラスト・デイト』は亡くなった月にドイツのラジオのために録音したもののようです。有名なYou Don’’t Know What Love Isでのフルートは本当に白鳥の歌のように透明感のある演奏で、聞くたびに心が洗われる。
クリフォード・ジョーダンは僕的にはStrata-Eastから1972年に発表されたIn the Worldで記憶されています。ドン・チェリー、エド・ブラックウェルなどの前衛派とウィントン・ケリー、ケニー・ドーハムなどの主流派というか保守派、そしてその中間ともいえるクリフォード・ジョーダン、リチャード・デーヴィスなどの演奏スタイル横断的なメンバーと、同様に前衛的/主流的な演奏がいい。1曲目のViennaでの暗いロマンティシズム。その中でのウィントン・ケリーの明るいピアノが対位的にアクセントとなっている。ジャズ喫茶の「アクト」や居酒屋「こうや」で聞いた時の風景や話も思い出します。
でもイヤフォンで聞くと少しばらばらのような、一体感が欠けるように聞こえるのは機械(メディア)のせいだろうか。写真はミンガス。けっこう絵になる写真が多い、フォトジェニックなジャズマン。Goodbye Porkpie Hatで有名ですが、麦わら帽(straw hat)と葉巻が似合う。