ミンガスとドン・プーレン

f:id:seiji-honjo:20211016075903j:plain

1974年のカーネギー・ホールでのライブを聞いていますが、なぜかアナログ・レコードではPerdid とC Jam Bluesの2曲のみ。CDでは完全収録。

 CD1はIntroduction , Peggy’s Blue Skylight、 Celia、 Fables of Faubus 。CD2 はBig Alice 、Perdid、  C Jam Blues。

 トランペットは John Faddis、サックスは John Hnady 、Roland Kirk 、Charles McPherson、 George Adamsという錚々たるメンバーです。

 有名なFables of Faubusでのサックス同士のコレクティヴ・インプロヴィゼーションとプーレンのピアノがよく合っています。ミンガス・ミュージックとプーレンの親和性が分かってうれしい。

 ジャケット写真もミンガスの姿がモノクロで撮られていて、センスとユーモアがあります。

 同じ1974年のChangesの2も聞いてみました。有名なOrange Was the Color of Her Dress, Then Silk Blueが17分の長尺で、プーレンのピアノがマッコイ・タイナー風からプーレン風のスタイルと1曲の中での演奏スタイルの変化が楽しめます。それとフォーク・ミュージック風のノスタルジックな曲調が、とちゅうアヴァンギャルド的な演奏になって、これもミンガス的。ゴスペル、フォーク、ジャズ、フリーとアメリカ音楽の歴史をなぞりつつ、混沌も表現しているような。

 ミンガスって怒りながら56才の短い生涯を終えたように思えます。その怒りに時々辟易しつつも、ミンガスの生きた時代の黒人にとって、それは怒らざるをえないだろうなとも思います。うつ病とか双極性障害とも言われていますが、アーティストとして創造の苦悩もあるだろけれど、人種差別による怒りから正常な精神状態を保てなくなる事もありそう。