斉藤哲夫を聴く

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 坪内祐三から中野翠中野翠から小津、そしてなぎら建壱の酒場もの、『日本フォーク大全』(ちくま文庫)を読んでいます。追悼物?から和田誠の対談(三谷幸喜川本三郎など)などで2月は過ぎました。

 なぎらさんはNHKの午後なまで見かけますが、フォーク第2世代でフォークの歴史を現場からよく見て、記憶していてしかも文才もあります。僕的には「悲惨な戦い」のコミック・フォークが印象深い。

 で斉藤哲夫は1950年生まれ。僕は80年代にラジオのDJで聞いた記憶があります。「グッドタイム・ミュージック」や「ダンサー」の少し高い、少しかすれた声と歌詞とメロディが好きになった。しかし1980年のミノルタのCM「いまのキミはピカピカに光って」がヒットしたのが、よかったかどうか。あの熊本大生の宮崎美子の映像はよく覚えています。

 実は「いまのキミはピカピカに光って」は作詞が糸井重里、作曲は鈴木惠一(ムーンライダース)だったので、ヒットした曲が作詞作曲を自分でするフォーク歌手としては納得できないものがあるように考えるメンタリティの持ち主の様になぎらの描き方では思えます。吉田拓郎がカバーした「されど私の人生」や「悩み多き者よ」などから歌う哲学者とも呼ばれたらしい。

 でも数十年ぶりに買ったCDで斉藤哲夫の歌を聴くと、懐かしいと共に今でも色あせない音楽の底力を感じます。