イーライ・ウォラックからマックイーン

 2014年に98才で亡くなった俳優イーライ・ウォラックが90才の時に出した映画逸話集The Good, the Bad and Me: In My Anecdotage。このタイトルの前半は『続・夕陽のガンマン』(1968)のタイトルThe Good , the Bad and the Uglyに由来します。クリント・イーストウッドが「いい奴」、リー・ヴァン・クリーフが「悪い奴」、そしてイーライ・ウォラックが「狡い奴」。それをモジった自伝風エッセイ集。

 タイトルの後半は『ジャズ・アネクドーッ』というビル・クロウのジャズ関係の逸話集と同じです。anecdoteの複数形anecdotes、そしてanecdotageは集合名詞。でかつ「昔話をしたがる老人」という意味もあるそうで、ピッタリ。90才でよく覚えている。時間をかけて書き溜めていたかも。『荒馬と女』(1961)、『ゴッドファーザーPartⅢ』(1990)でも知られる俳優です。

 実は『荒野の七人』(1960)を見ていて、スティーヴ・マックイーンの演技が主演のクリスを演じるユル・ブリンナーの気に障ったという事をWikiに書いてあったのかな。その注に出典が山賊の首領を演じたイーライ・ウォラックの本だと知り、Kindleで入手。ipad miniの電源を久しぶりに入れて、その部分を確認しました。まだ通読はしていません。

 確かに馬車の手綱を取るクリスの隣に座るヴィン(マックイーン)が散弾銃の弾丸を確かめる仕草。帽子を脱いで、縁を見る動作。いずれも必要がないようで格好いい。カメラはともかく観客の目をクリスではなくヴィンに向ける。このような俳優としてハングリーな場面を奪う演技合戦のような事をマックイーンは他でもやっているという事を読んだ記憶があります。

 このガンマンのヴィン役のマックイーンは馬に乗る動きも格好いいです。乗る時は少し走りかけた馬に乗り、下りる時も馬が完全に止まる前に下りる。どちらも少し動いていいる馬に、飛び乗り、飛び降りる。これは運動神経がいいのと、それをカメラに撮らせる力もあると思いました。監督やカメラマンとの交渉能力。

 それとは別に前にもブログでふれたけれど、僕はマックイーンのフィルモグラフィの中では『ブリット』(1968)と『ジュニア・ボナー』(1972)が好きでした。『ブリット』は馬ではなくカーチェースの草分け的作品。坂の多いサンフランシスコを車で飛ばします。本人も車が好きで、カーレースを中心とした『ル・マン』も撮っています。最もレース服やヘルメットのアスベストが原因でがんになったとも。

 もう動かしていない個人的HPでも『ブリット』からの写真を掲載していました。http://www.jin.hokkai-s-u.ac.jp/~honjo/movies.html

 『ジュニア・ボナー』は同年の『ゲッタウェイ』の前の作品でどちらも監督はサム・ペキンパ。『ゲッタウェイ』の方がリメークもされて有名ですが、僕はさかりを過ぎたロデオ乗りを演じるマックイーンの少しくたびれた、でもかっこういい感じが好きでした。両親役がロバート・プレストンアイダ・ルピノ

 有名なミュージカル俳優のプレストン。女性監督の先駆者アイダ・ルピノ。ジャズの曲にカーラ・ブレイが作った「アイダ・ルピノ」という曲があります。カーラ・ブレイの前夫ポール・ブレイの演奏で有名かも。それも以前のブログで書きました。https://seiji-honjo.hatenadiary.org/entry/20131225/1387953378

 

 日曜日と今日、パソコンに詳しい人(知り合いの業者さん)に来てもらって、やっとルーターの接続ができました。プロバイダー(OCN)の情報を書いた紙を失くしたので、その再登録と言うか、情報を獲得するのが大変でした。やはり一人ではできなかったのは、残念。でもよかった。

 仕事ではないけれど、学会の連絡やメール(携帯でも見れるけれど、書くのはたいへん)、アマゾンでの映画がこのブログなど、インターネットにつながっていないとだめな自分に気付きました。その依存分を減らす方向に向う方がいい事も。