だいぶ前にアマゾンで観た『マイブックショップ』(The Bookshop, 2017)ですが、少しブログ原稿を書いてとって?おきました。
ところが最近、黒澤明の『生きる』(1952)のリメーク『生きるLIVING』(Living, 2022)が評判になっていて、その主人公役の俳優が『マイブックショップ』でも重要な役を演じているので、やっと登場します。
共通するのは俳優ビル・ナイ。ピーター・オトール(『アラビアのロレンス』)を少しショボく(ごめん)した感じ。でも痩身の老紳士役が似合います。
主人公は1950年代のイギリスの地方都市に書店を開く戦争未亡人フローレンス(エミリー・モーティマー)。彼女と本を通じて知り合う孤独な老人エドマンド・ブランディッシュがビル・ナイ。でも40年も自宅に引きこもり、読書だけが生きがいの老紳士がよく似合う。好きなのはレイ・ブラッドベリ。僕が学生の頃は『たんぽぽのお酒』が流行った。『華氏451』が1966年フランソワ・トリフォー監督によって映画化された。実はその主役が後述のジュリー・クリスティ。エドマンドが『火星年代記』を読んでいる場面もあります。写真では『華氏451』を読んでいます。
書店を妨害する街の有力者の夫人ヴァイオレット・ガマート(パトリシア・クラークソン)。パトリシア・クラークソンは『アンタッチャブル』(1987)ではエリオット・ネス(ケヴィン・コスナー)の夫人、『ダーティ・ハリー5』(1988)ではハリーの恋人?を演じていたノーブルな、でも嫌みな役もできる女優です。
ガマート夫人の策略で書店を閉めて街を出ようとするフローレンスは船の上から街の書店の方向から火が上がるのを見る。書店を手伝っていた少女クリスティが書店に火を放ったのだった。そのクリスティが後にフローレンスの意思を受け継いで書店を構える。大人になったクリスティをナレーションも担当するジュリー・クリスティが演じます。
イギリス特有の暗い美しさをたたえた演技派女優。男顔?でもあります。40年以上前に赴任した大学の図書館新聞で、新任の自己紹介のエッセイを書きました。その時に好きな女優にあげたのがジュリー・クリスティ。
ブログの前にやっていた自分のHPの映画のコーナーでこんな紹介をしている。
「『ダーリン』(61、シュレンジジャー監督)で登場したジュリー・クリティ(1941年生まれ)。『ドクトル・ジバゴ』(65、デヴィッド・リーン監督)で世界的なスターとなる。やはりイギリスとの男優と似て、ハリウッド女優にはない骨太さ、暗さ、深みがあると思う。レイ・ブラッドベリ原作の『華氏451度』(66、フランソワ・トリュフォ監督)に出演。トマス・ハーディの原作『遥か群集を離れて』(67、シュレンジジャー監督)ではテレンス・スタンプと共演。」
写真は『ドクトル・ジバゴ』。
やっぱり、最初のテーマから離れてしまった。