NHKの人気朝ドラ『あまちゃん』(2013年)の音楽で知った大友良英(よしひで、1959年生まれ)。
ニュー・ジャズの高柳昌行の弟子?だったり、ポップスにも関わったりしていたようで、その後の彼の動向を少し注目していました。札幌国際芸術祭2017の芸術監督は坂本龍一の病気降板の代役だろうか。札幌に来ていたら見に(聴きに)行きたかった。
そんな大友君の『ぼくはこんな音楽を聴いて育った』(筑摩書房、2017年)を読みました。
いろいろ面白かったけれど、高校の時にタモリ+坂田明(山下洋輔バンドのサックス)の「ソバヤ・ソバヤ」が気に入って、文化祭でやってドン引きされたというのはよく分かる。これはちゃんとした聞き手がいないと成立しない音楽だよね。
それと阿部薫の音楽と死。もちろんちゃんと聞いていないけれど、何か粛然とせざるを得ない音楽家の佇まいだ。鈴木いずみとの関係も、ジャズの、ニュー・ジャズの伝説と言える。この阿部薫が坂本九の甥っ子だったとは。大友君は福島のジャズ喫茶で阿部薫の聴衆の少ないライブの聞き手(高校生)だったとか。
50年以上前から知っている日本のニュー・ジャズのギタリスト高柳昌行に弟子入りしたり、興味深い話も多い。そのような楽歴と『あまちゃん』の音楽の振れ幅/柔軟性、そして語る能力と個人的な関心は高いです。でも今回はここまで。