文学と地方の衰退

  アメリカ文学の学会では全国で東京と関西を中心に7つの支部が活動しています。北から北海道、東北、東京、中部、関西、中四国、九州。中部は名古屋を中心に金沢までふくみ、中四国は中国地方と四国。去年は久しぶりに金沢大学(中部支部)だったので、(金沢観光?に)行きたかったのに中止。今年の10月は対面の学会かオンラインかまだ未定です。

 で、2023年には北海道支部が開催担当で開催校について検討中ですが、開催校の候補にいる会員が移動したり、私的な理由で引き受けられなかったり、5月の英文学会開催時に開かれるアメリカ文学会の大会運営委員会でどう報告しようかと執行部(支部長、事務局長、幹事)が悩んでいます。

 関連して2019年度に開催支部を担当した東北支部の新支部長が昨年の挨拶で、2019年は開催できたけれど大変だった、これからは7つの支部がローテーションで開催する方式を見直すべきだと。この見解を僕はうちの執行部に紹介するとみんなそうだよね、できないと本部に言おうかという意見が飛び交いました。

 僕が40代の1990年代までは会員も2000名を超えていましたが、今は1200名くらい。7つの支部のうち北海道は最小規模の支部かも知れません。10年に1回ではなくて15年に1回にしてもらわないとできないかも知れない。大学設置基準の大綱化がはじまった1991年くらいから教養部の解体や、文学・文化離れ、そしてそれは大学院で文学を学ぶ若者が減る傾向につながり、大学の英語教育でも文学を専門として大学の一般教育(教養とか共通とか時代や大学によって名前は違いますが)を担当していた教員の後任を次々に英語教育専門の担当者に代えていった。

 そうすると文学関係の学会をする時に、会場校に文学系の教員がいなくてできない場合もじょじょに起きていたんでしょうね。僕が2005年と2014年に勤務先の大学で全国大会を実施した時もアメリカ文学関係は僕一人でした。実は会員はもう一人いたのですが、実働?会員ではなかった。この事は前のブログでも時々書いていましたけれど、それが地方の小さい学会にも影響を及ぼし続けて、今回のような状況になってきたのでした。

 でもまだ会場校候補について検討中です。