絵でもスピリチャル

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 今聞いているのはフルートのジェレミー・スタイグのFlute Fever。前に書いた記憶もありますが、ピアノはデニー・ザイトリン。So What?やLover Manはビル・エバンスとの共演作でも吹いていたかな。晩年は横浜に日本人のおくさんと住んでいたような。アルバムのジャケットの絵と裏のイラストはスタイグ作。お父さんがイラストレーターであったようで、本人もその素養があったんでしょう。

 写真は1859年のジョンソン・マーティン・ヒードのApproaching Thunderstorm。アメリカで初めてヨーロッパの絵画の影響から脱したと言われる「ハドソン・リヴァ―派」の第2世代か。トマス・コールがはじめたといわれる絵画の流派は、アメリカの独自の主題であるアメリカの雄大な自然にそこにスピリチャルな雰囲気を醸し出すような描き方をしました。

 僕が何度も言っているスピリチャルは、ここではダイレクトにキリスト教の宗教的なイメージをルミニズムという光を強く打ち出す手法で表現されています。これが見ていて違和感を感じるんですね。日本人でも自然に何か人知を超えた大きな力を感じますが、自然の風景の中に神の存在を描こうとする何か違うような気がします。

 ヒードのこの絵はそれとは違う普通の、でも自然と人間のあり方を程よい感じで描いているのでお気に入りです。