ステッペン・ウルフつながり

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 マンハッタンの45丁目のロイヤル劇場で見た『カッコーの巣の上で』のカーテン・コール。主演のマクマーフィを演じたのはゲーリーシニーズ。映画では癖のある脇役で有名ですが、若い頃からステッペン・ウルフ・シアター・カンパニーを主宰して、映画『二十日鼠と人間』(1992、スタインベック原作)で共演したのは劇団仲間ジョン・マルコヴィッチ。ステッペン・ウルフ~ロック・バンド~ヘルマン・ヘッセ~反体制とカウンター・カルチャーとつながるような気がします。

 実は最近も翻訳が出て読んだマイケル・コナリーのボッシュ・シリーズ。刑事の本名はヒエロニムス・ボッシュ。そしてその愛称はハリーなので、血はつながるが正式ではない父親の名字がハラ―である事から、ハリー・ボッシュはハリー・ハラ―でもある。そしてこの名付けにより、ヘルマン・ヘッセの『荒野の狼』の主人公ハリー・ハラ―と間テキスト的にはつながる。つまりハリー・ボッシュまたはハリー・ハラ―は警察組織の中でアウトサイダーになるように運命づけられている、またはコナリーはそう意図していると言える。

 また『イージー・ライダー』(1969)での挿入曲「ワイルドで行こう」、「プッシャー」(麻薬の密売人)で有名になったカナダのロック・バンド、ステッペン・ウルフは当然の様にヘッセの『荒野の狼』からバンド名を付けています。何故かうちにはヘッセの翻訳が文庫ですがけっこうありましたが、あまり真面目に読みませんでした。ヘッセの思索的・哲学的、宗教的、時に精神分析のような小説がアメリカのヒッピーに影響を与えたようですが、どのように受け取られたのかよく分かりません。関心はありますが。

 たぶんロック・バンドよりも演劇青年たちの方がヘルマン・ヘッセ~『荒野の狼』~アウトサイダーについてきちんと考えていたような気がします。まぁ、ロック小僧(少年)は感覚的だし、演劇青年は頭でっかちだから。