暗いけど美しい シャーロット・ランプリング

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  イギリスの俳優の暗い美しさの例に挙げそこなったシャーロット・ランプリング。実はファンではありません。でもカッコいいと思います。自由な生き方や映画の選び方が。

  28才の時の『愛の肉体』のDVDを知り合いから借りました。ハドリー・チェースの『蘭の肉体』が原作。ニューロティックなフランス映画で映画は不出来ですが、ランプリングがスレンダーで美しい。アリダ・ヴァッリが叔母役で出てきています。『第三の男』(キャロル・リード、1949)『夏の嵐』(ヴィスコンティ、1954)、『かくも長き不在』(1961)の存在感のある女優でした。

さてランプリングは1974年の『愛の嵐』(リリアーナ・カヴァーニ)のサスペンダーをして軍帽をかぶり、上半身裸の写真が有名だと思います。その前の『地獄に堕ちた勇者ども』(1969年)にも出ていましたが、監督のヴィスコンティはカヴァーニの師匠の様にも見える作風です。

さらにその前の『さらば美しき人』(1971年)はイギリスの劇作家ジョン・フォード『哀れ、彼女は娼婦』(1963)が原作で、兄と妹の近親相姦の物語なので、ランプリングは倒錯した物語に出る事が多い。

ポール・ニューマンと共演した1982年の『評決』はあまりやりどころのない役だったような気がします。でもタフで毅然として中年になっても格好いい。このランプリングや明日書こうと思っているジュリー・クリスティについては、2000年~2007までのホームページで書いていました。もう10年以上更新していませんが、まだ見る事はできます。

http://www.jin.hokkai-s-u.ac.jp/~honjo/movies.html

 写真はデビュー作『ナック』(1965)でクレジットなし。実はジェーン・バーキンやジャクリーン・ビゼットもクレジットなしで出ています。もしかしたら写真はランプリングではなくジェーン・バーキン