アメリカン・トラッドの終焉

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  先週、創立200年を超えたブルックス・ブラザーズが経営破たんした事を今日買った週刊文春で知りました。20年位前までは男性ファッションでもそこそこだったような気がします。1996~97年のフィラデルフィア、ニューヨークでもいちおう一流の扱い。ところが2001年のニューヨークではポール・スチュアートの方がファッショナブルでした。僕は半年滞在の記念にJ.Pressのスーツを買いましたが、これもそんなにお洒落ではなかったかな。

  1818年にブルックス家によってニューヨークで創業され、現在はイタリアの金持ちクラウディオ・デル・ヴェッキオが所有していたようです。でもやはりアメリカン・トラッド(アメリカン・クラシック・スタイルとも)の代表ブランドとして、日本でもその走りが1960年代から70年代にかけてボタンダウン・シャツ、後ろに尾錠のついたコッパン、今ではスリップ・オンと総称されるコイン・ローファーなどは、正しいブルックス・ブラザーズではなくてもアメリカン・トラッド、またはアイヴィー・ルックと呼ばれ、若者が愛好していました。文春の記事でもリンカーンケネディルーズベルトからオバマまで着ていたようです。

 アイヴィー・ルッとは蔦(アイヴィー)の絡まる由緒正しい建物が並ぶアイヴィー・リーグのキャンパスでまなぶエリートの若者たちのファッションだったんです。もちろんアイヴィー・リーグとは東部名門私立大学の事で、ハーヴァード、エール、プリンストンビッグ・スリーで、僕はペンシルヴァニア、コロンビアと少し入りやすい大学でしか客員研究員になれませんでした。

 日本では若大将シリーズで、若き日の田中邦衛が丈が短く、裾が細いコッパンをはいていましたが、真似をしたくないファッションでした。エクストリームなスリムは背が高く足が長くないと似合わない。洋服って僕らの世代まではそんなに似合わないかも。今の若者の様な体形でないと。一方西洋人(古いかな?)が着物を着ると、少し不格好で、これは日本人が似合う。

 写真はハリウッドで一番?アイヴィー・ルックが似合うアンソニー・パーキンス