ジャズと越境と連帯

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 ドン・プーレンについては何度も書いているの一部ダブっていると思いますが、確認するのは面倒なのでチェックはしていませんので、ご容赦。

 ドン・プーレンのOde to Life with the African-Brazilian Connection (1993)ではyoutubeでよく聞いた/見たEl Matadorとその次の曲Ah George, We Hardly Know Yaがいいです。画像で見るとピアニストの背筋の伸びた古武士のような雰囲気と、アドリブの興が乗ってくると、右手を裏返すように甲を鍵盤の上で転がすのがよく分かります。Ah George, We Hardly Know YaはLive...Again: Live at Montreux with the African-Brazilian Connection (1993)でもドン・プーレンの亡くなった盟友ジョージ・アダムズへのコメント付で演奏されています。僕はジョージ・アダムズについては聞かず嫌いでしたが、ドン・プーレンのアルバムでジョージ・アダムズ抜き?はほぼ聴いたので、今度はジョージ・アダムズ×ドン・プーレンの双頭アルバムにも手を出して?います。

 新しい発見は同じ1993年のSacred Common GroundではAfrican-Brazilian Connectionにおける黒人+南米人のリズムの協力/連帯から、アメリカ先住民の音楽も取り入れている事でした。Chief Cliff Singersというアメリカ先住民のバンドと共演しています。アメリカのポップ・ミュージックでアメリカン・インディアンの音楽はあまり出てきません。バンドのロビー・ロバートソンが母親がインディアンンという事でソロ・アルバムにMusic for the Native Americans(1994)があります。手元にはContact from the Underworld of Redboy(1998)があって、タイトルもサウンドも出自を意識しています。

 一時youtubeでAll along the Watchtowerをよく聞いていましたが、そこでもインディアンンの女性の歌唱が入っていて印象深かったです。この動画はPlaying For Change | Song Around The Worldというプロジェクトのようなもので、いろんなロックやソウルの名曲を、世界中の有名/無名のミュージシャンが次々にフレーズを繋いでいくものです。プロジェクトの名前はジミ・ヘンドリックスの“If there is something to be changed in this world, then it only can happen with MUSIC” から来ているようです。

 アフリカやイタリアのギタリストもよかったですが、トリはオールマン・ブラザーズ・バンドにもいたウォーレン・ヘインズ。そのギターとボーカルがけっこういい。そして最初の方と最後の方で見たことのあるシンガーが出て来る。ニューオリンズのソウル・ファンク・バンド、ネヴィル・ブラザーズの4人兄弟の末弟のシリルでした。甥っ子の伴奏(オルガン)で歌っていました。

 ネヴィル・ブラザーズについてはそのうち。