リアルって何だろう。経験という事で言えば、自分がその場にいて直接経験した事がリアルなのだろうか。つまり現実世界にて現実に経験する事がリアル。しかし現場にいても、その人の能力や関心の度合いで、受け取り方は様々だ。何も感じない、理解力の欠けたジャーナリストが事件の現場にいても、その報道はリアルではない。つまり物理的な現実世界と、それを人がどうとらえるかでリアルに受け取るか、そうでないか。
もう一つは物理的な現実世界ではない≒ヴァーチャル、サイバー。オンライン・ゲームの仮想世界や、SNSなどでのコミュニケーションの世界。特に後者については、交流する数や回数が圧倒的に増えるけれど、その内実は希薄ではないかと否定できでしたが、今回のように接触を避けなければならない状況では有効だと分かります。その使い分けが現実的な今の世界だと勝手に了解します。
そんな風に?考えてみれば、読書もCDで音楽を聴く事もあり意味でヴァーチャルか。作家が原稿紙かパソコンで書いた作品を出版社~印刷所が作って流通した本を本屋や今ではアマゾンで買って読んでいます。作者の創造から読者の想像へとつながるヴァーチャルでかつリアルな世界。音楽もライブやコンサートではなく、スタジオで録音された演奏を小さな盤面から読み取る機械から流れてくる音を聞いて、楽しむ。
現代はリアル ⇔ ヴァーチャルという双方向の世界の往復作用から成立しているのかもしれない。これもまたポストモダンか。また似たような結論でお茶を濁してしまった。
写真はキース・ジャレットの『ミステリーズ』のジャケット。この世界は謎だというつまらない語呂合わせです。それとインパルス・レコードの時代のキースのアメリカン・クァルテットの時代のインパルス・イヤーズという4枚セットのCDを持っているのですが、この『ミステリーズ』のジャケットが気に入っています。でも単体で買うのももったいないし、いつかこのジャケットを使おうと思っていました。