パブとロースト・ビーフ

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 いつかとはあまりにも昔なので恥ずかしくて言えませんが、1997年4月から8月中旬まで住んでいたフラットはロンドン西部、パディントンの少し北のメイダ・ヴェイルにあり、ロンドン東部のキングス・カレッジ(ロンドン大学)まで毎日バスで20分位かけて通っていました。  その時の行きつけのパブはThe Robert Browningという、その付近に住んでいた有名な詩人の名前を取ったものです。最寄りのバス停からは2つほど離れているが結構通った。常連のチャールズ、レズリーなど懐かしい。よく知られているが本当にそこにいる知り合いにおごり、おごり返されるという飲み方だった。つまり4人知り合いがいると5杯は飲まなければならない。1パイント(約500ml)のジョッキが基本だからけっこうきついかも。  さてロバート・ブラウニングは、上田敏が『海潮音』に訳出した「季節は春、時は朝、7時、丘には露あふれ、雲雀舞い、蝸牛枝に這い、神は彼方空にいて、すべて世は事もなし」(部分拙訳)が有名だ。で、このパブは2015年頃まであったようですが、その後なくなったとネットに出ていました。もしロンドンに行く事があればぜひ行きたかった。

 行きつけではないけれど、バッキンガム宮殿近くのたぶん「シェークスピア」というパブで知り合った人が宮殿で働くテーラー(と本人は言っていました)で護衛の兵士の被服係のようで、バッキンガムに入れてくれました。その時はグルカ兵(ネパール出身の勇敢な兵士たち)の行進か閲兵を見ました。「シェークスピア」では赤いジャケット(軍服)を着たお年寄りがいましたが、近くのチェルシーにある廃兵院(すごい名前ですが)から来る身寄りのない元兵士のようでした。

 後は「オールド・チェシャー・チーズ」。新聞社が多くあるフリート街にある老舗のパブで、ディッケンズやコナン・ドイルなども通った言われています。ここではパブではなく、レストランの方でロースト・ビーフを食べました。ロースト・ビーフと言えば、シンプソン・イン・ザ・ストランドが欠かせません。ドリトル先生に出て来る雀チープサイドのセント・ポール寺院の近く、一応客員研究員になっていたロンドン大学のキングス・カレッジに近いストランド。ここはジャケット着用だったような。クロークで貸してくれたようですが、自前のジャケットで行きました。ここは付け合せの蒸したキャベツが風変わりで美味しかった。

 ロンドンではロースト・ビーフの他に、ロースト・ラムもけっこう美味しかったです。で、今まで食べた一番おいしかったロースト・ビーフは日本の鎌倉山(本店)のものでした。赤身もそうですが、脂身の入り方、味が素晴らしかったです。その後鎌倉山の横浜店や同じ本店にも再訪しましたが、1回目の味が一番でした。ロースト・ビーフと言えば付け合わせのヨークシャー・プディング、学生にはシュークリームの皮みたいと説明します。それとホース・ラディッシュが、小さい頃食べた山わさびとそっくりでびっくりしました。最近スーパーでもみかけますが、同じものなんですね。チューブのわさびの原料にもなっているとか。

 写真はThe Robert Browning、今はEagleという名前のパブに代わっているらしいです。ロバート・ブラウニングの肖像が2階の窓に掲げられていたのは、前のパブの時かも知れない。今のパブには「新型コロナ・ウィルスのため営業時間は確定できません。テークアウトやデリバリーもご利用ください」と案内がありました。