ジョイスとダブリン

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  ロンドン滞在中にダブリンに旅行をしました。ロンドンの北の玄関口ユーストン(Euston) 駅から特急列車でチェスター(Chester)へ行き、そこで乗り換えてアイリッシュ海に面する港町ホリーヘッド(Holyhead)に向かいます。ホリーヘッドでフェリーに乗り換えて約2時間の船旅ののち、ダブリンに着きます。全体の所要時間はロンドンから約7時間。

 ユーストン大英博物館の北隣にあるラッセル・スクエアから地下鉄で一駅のところにあります。ロンドンでのフラット(アパート)を決める前に、ラッセル・スクエアのホテルに数日いたのですが、隣のユーストンもなじみの駅でした。ユーストンから大英図書館のあるセント・パンクラス駅を過ぎてキングス・クロス駅に行くと、プラット・フォームに行きたくなります。これはちょうどロンドンにいた前後にベスト・セラーになったハリー・ポッターホグワーツ魔法学校行きの特急に乗る架空のプラット・フォームがある場所です。僕のいた時は大英図書館大英博物館の中にありましたが、独立してセント・パンクラス駅のそばに移転しました。ただもう、その頃移転の話はあったような。

 さてフェリーを降りるとB&Bを宣伝している女性がいたので彼女の経営するB&Bに決めました。一緒にいたご主人がアンソニー・ホプキンスに似ていました。でその印象を伝えるとよくそう言われると答えていました。

 ダブリンはいちおうジョイスと『ユリシーズ』に関わりのある場所に行こうと思っていました。もちろんダブリン観光もあります。「ジェイムス・ジョイスタワー&ミュージアム」はダブリンの郊外サンディ・コーブにあマーテロ塔に博物館を併設していて、ジョイスが1904年に泊まったそうです。

 マーテロ塔は『ユリシーズ』の冒頭で登場します。塔の内部には『ユリシーズ』の出版元であるパリのシェークスピア書店のシルヴィア・ビーチが1962年にジョイスの持ち物や作品の色んな場面を思い出させるような小物を持ち込んでミュージアムにしたようです。ジョイスの熱心な読者にとってはぜひ行ってみたい場所になっていて、特に「ブルームの日」 (6月16日) にはファンがよく訪れますが、僕らもその日に合わせてダブリンを訪問しました。ブルームの日とは『ユリシーズ』が1904年6月16日の1日を主人公のユダヤ人レオポルド・ブルームを中心に描かれるからです。この日はダブリンだけでなくアイルランドの大作家ジョイスを祝う記念日になっています。

  ダブリン市内に戻ってジェームス・ジョイスセンターにも行ってみました。後は『ユリシーズ』に出てくるパブにデイヴィー・バーンズにも。ここはずいぶんとお洒落なレストランのようなパブ。でもう一方のマリガンズは僕が行った当時は暗くてあまりきれいではありませんでしたが、今写真でみるとけっこうきれい。もちろんギネスの工場にも行って、作り立ての黒ビールを一杯。

 写真はダブリン中心部を流れるリーフィ川の近くオコンネル通りにある、ちょっとしゃくれた顎を上にに向けたジョイスらしい?像です。