表紙で選ぶ

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  本の装丁や表紙の絵には関心があります。僕の本の時もイラストに知り合いの画家にお願いし、彼女に装丁のプロを紹介してもらいました。二人とも有名な本の装丁・挿画を担当していました。その割には料金はかかりませんでしたが、他の人はあまり外見を気にしないのか出版社に丸投げでそれなりの結果に。

  さて時代小説を読んでいますので、村上豊の表紙の藤沢周平山本周五郎の本がうちにあります。村上豊の童話のようなほっこりとした画風が好きです。そんな中でたまたま井伏鱒二の『駅前旅館』を文庫で買うと表紙が峰岸達。レトロな感じでいいです。

  現在76才の峰岸達は30才の頃から昭和レトロ趣味的な画風が『話の特集』に掲載された「センチメンタル・ラプソディ」が注目を浴びました。推薦した和田誠は「峰岸達さんは、ちょっとレトロな日本の風景を描くと抜群にうまいイラストレーターです。映画館がある昭和中期の街の絵なんか懐かしくて、似顔絵もなかなかのものでとりわけ役者や芸人を得意としている。愛情のこめ方とか、気合の入れ方が自然に違ってきちゃうのでしょう。」(「似顔絵物語」白水)と称賛しています。彼が描く似顔絵はあまり好きな人でなくてもいい部分を引き出すような描き方で好きです。ただし載せたイラストは好きな作家と噺家で、表紙でもありません、たぶん。

  『極東セレナーデ』『世間知らず』『笑学百科』『天才伝説 横山やすし』など、小林信彦の小説やエッセイの表紙をよく描いています。僕は井伏鱒二の『駅前旅館』が読みたくてアマゾンで買いましたが、峰岸達が表紙を描いていました。そんなで表紙の絵が好きなイラストレーターについて前から書こうと思っていたのですが、あまり掘り下げられなかった。ま、そんな必要もないかな。

 そう言えばディック・フランシスやブライアン・フリーマントルのチャーリー・マフィン、ロバート・B・パーカーのスペンサー・シリーズの辰巳四朗(故人)もクールなタッチで好きでした。