ミルト・ジャクソンのGoodbyeからSunflowerといったCTIレーベルのアルバムを聞いて、特にSunflowerの1曲目For Someone I Loveの美しい演奏にはまって、ミルト・ジャクソンとMJQのアルバムを聞いています。
ジャズ・ヴァイブはデイヴ・パイクのPike’s Peakを伴奏者のビル・エアバンスに惹かれて聞きはじめ、このアルバムのデイヴ・パイクがキレが良くて、かれの他のアルバムも数枚聞きましたが、Pike’s Peakが文字通り、デイブ・パイクの頂点でした。
他にはゲーリー・バートンとキース・ジャレットの共演アルバムもいい。これはチック・コリアとの共演よりもいいかも。ゲーリー・バートンとチック・コリアの「クリスタル・サイエンス」なんかは合い過ぎてつまらない?ゲーリー・バートンとキース・ジャレットのMonn Child/In YourQUiet Placeではヴァイヴの浮遊感と、キースのdown to earthの文字通り土臭い?演奏がミスマッチのような対位法的な合奏が魅力的に聞こえます。
黒人ミュージシャンのロイ・エアーズのソウルっぽい演奏も好きでしたが、後半フュージョンっぽい演奏にシフトして遠ざかりました。でもいまではハウス系の分野で評価されているようです。
おなじ黒人ミュージシャンのボビー・ハッチャ―ソンのHappeningsもハービー・ハンコックのMaiden Voyageを取り上げて、クールでかつ熱くて本家よりもいい演奏かも知れない。
ピアノのジェフ・キーザーとNew Sound Quartetを組んでいるジョー・ロックのヴァイブもけっこういいです。このグループはMJQに因んで/敬意を表してNew MJQと名乗ろうとしたのですが、MJQのジョン・ルイスの未亡人に断られたとか。それでNew Sound Quartetとなったようです。
で冒頭に戻ると、CTIって金があるのか、すごいミュージシャンをそろえてミルトをサポートします。ハービー・ハンコック(p)、ロン・カーター(b)、ビリー・コブハム(d)にフレディ・ハバード(tp)なので、伴奏は盤石、人によってはハバードの出番ではハバードのアルバムだと評する人も。ストリングが余計かも知れないけれど、ソロイストの演奏をうまく引き立てるドン・セベスキーのアレンジは確かにうまい。テーマからソロへの展開が絶妙に構成されています。
ミルト・ジャクソン作曲と言うFor Someone I Loveの演奏は、そのメロディーもヴァイブラフォン特有の音の浮遊感も素敵だ。ピアノの区切りのある音とは違う、振動によって空中に浮かぶ音が漂っていく感じ。ボサノバのHow Insensitiveもヴァイブの演奏を聞くと、先へ先へと進まないゆったりとしたボサノバの雰囲気とヴァイヴの浮遊感が絶妙にマッチしています。
それにしてもミルト・ジャクソンはMJQも含めてよくない演奏って少ないと思うけれど、このアルバムとこの曲は今月一番でした。2月はSteely Danが一番でした。そう言えばAJjaの中でもお気に入りのHome at Lastでピアノとヴァイブを弾いているヴィクター・フェルドマンもいました。
3月はまだ3週間もあるので、これを上回るアルバムを見つける事を期待しますが。初めて聞く演奏ではありませんが、いま待機しているのがファラオ・サンダースのアルバム10枚くらい。